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健全なチケット転売市場を

人気歌手などの公演チケットがネット上で時に額面の10倍を超す価格で転売されている。こうした高額転売はエンターテインメント産業の健全な発展を妨げる。一方で転売市場は現在のチケット流通の不便さ、不透明さが生んだ側面もある。問題の解決には音楽業界自身の改革が要る。

公共の場でのダフ屋行為は都道府県が条例で禁止しているが、ネット空間で取り締まるルールはない。価格のつり上げや転売を目的とするネットでの大量購入には、新しい規制のあり方を議論してもいい。偽造が難しく、購入者の追跡や転売回数の制限ができる電子チケットの活用も有効だ。

音楽団体などは高額転売に反対を表明しているが、従来のチケット流通に対する消費者の不満をすくいとってきた面も転売市場にあることを直視すべきだ。現状は購入時に席を選べない、キャンセル不可、といった不便がある。

これを機に音楽業界はチケット販売の新たな仕組みをつくってはどうか。舞台との距離に応じ価格に一定の差をつける。平日と週末で価格を変える。価値のある席を、ある程度まで高い価格で売り出せば、転売業者のうまみは減り、音楽業界の収入は増える。

事前登録した顔写真を入場者と照合するなど転売追放の試みも目立つ。だが厳格な本人確認は、気軽に公演に出かけたり友人にプレゼントしたりという楽しみ方を難しくする。米国などにならって一般の人が売買できる健全な転売市場を育成するほうが、業界の活性化につながるのではないか。

主催者が公認した転売市場があれば、先の予定が不透明でもチケットを気軽に買える。チケットの流動性が高まれば直前でも購入しやすくなる。仕事を持つ音楽ファンには喜ばれよう。転売価格の上限を定めておくのも一案だ。

2020年の東京五輪を含め、スポーツや音楽などの興行は海外からの観光客にとっても魅力だ。わかりやすく使いやすいチケット流通の仕組みが求められる。

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