2019年1月19日(土)

恋愛と同じ シリコンバレーで信頼関係を築くには
ジョアナ・ドレイク・アール(コア・ベンチャーズ・グループ ジェネラルパートナー)

2016/10/21 6:30
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シリコンバレーのスタートアップ(ベンチャー企業)と働く上で最も重要であるステップは何か。それは信頼関係を構築することである。

Current TVなどのメディア関連企業のエグゼクティブやDeNA Westの最高執行責任者を経て、コア・ベンチャーズ・グループのジェネラルパートナーに就く。スタンフォード大学修士、カリフォルニア大学バークレー校卒。

Current TVなどのメディア関連企業のエグゼクティブやDeNA Westの最高執行責任者を経て、コア・ベンチャーズ・グループのジェネラルパートナーに就く。スタンフォード大学修士、カリフォルニア大学バークレー校卒。

我々はこのようなことを推奨している。社内に「シニア・エグゼクティブ・スポンサー」となる人材を擁し、スタートアップとのパートナーシップや投資、買収といった戦略を委ねるのだ。リーダーが責任を持って戦略を推進することで、成功の確率がぐっと上がるのである。

その立場にある経営幹部(エグゼクティブ)がシリコンバレーと本社の橋渡し役になることが難しい場合もあるだろう。そのようなときは有能な補佐と組むべきだ。現地のスタートアップのエコシステム(経済の生態系)に入り込んで、彼らと関係性を構築できる人材だ。

事業開発担当の「シニアエグゼクティブ」として理想的な人物像にも触れておきたい。欧米文化の中で働いた経験があり、欧米のトップクラスのビジネススクールで修士以上の学位を得た者であることが望ましい。シリコンバレーで数年働いた経験があるとなおよい。

完璧な英語を話すことはそれほど重要ではない。尻込みせずに話すことの方が大切だ。シリコンバレーでは、あらゆるアクセントの英語が飛び交っているからだ。そして、英語と同じくらい重要なのがテクノロジーに関する話ができるか否かである。シリコンバレーの責任者は、あなたの会社とそのミッションに対して情熱を持った人間でなければならない。

起業家や仲介者と信頼関係を築く上で欠かせないのは、あなたの会社のエグゼクティブが持続的にこの地に時間を投資することだ。シリコンバレーにコミットしていると思われて(責任者が1年ごとに交代しないと理解されて)からでないと、あなたの会社は真剣に取り合ってもらえない。理想的なコミットメントの期間は3年以上だ。

最も大切なのは専門領域と窓口を明確にしておくことなのだ。インサイダー限定のイベントやカンファレンス、投資機会に招かれるようになるまで、少なくとも2年は必要だろう。責任者は起業家や投資家と仕事をし、信頼関係を築くためにすべての時間を費やすべきである。

シリコンバレーにおける責任者は、起業家とのミーティングをいかによいものにするかを学ぶ必要がある。まず、尊敬され信頼されている起業家や仲介者からの紹介が重要な意味を持つとことを知るべきだ。シリコンバレーが閉鎖的と思われる理由の1つに、一流の人材が人脈を「盾」として使うことがある。多くのインサイダーは、たとえ一流企業の幹部からであっても、紹介なしでは応えない。

あなたの会社を代表するエグゼクティブが申し分のない紹介を通じてミーティングを設定できたとしても、企業のブランドだけでは必ずしも起業家を感心させることはできない。その代わりに、すべてのミーティングに対して具体的な目標を定め、スタートアップに価値を提供できるように事前に宿題を済ませる必要がある。

最もよいミーティングは名刺交換とは正反対である。顧客に関する洞察や、日本市場の特異性の理解、次につながる紹介、そうした意味のある情報の交換こそが行われるべきなのだ。

それは付き合い始めたばかりのころのデートのようでもある。花束やチョコレートを贈り、長期的な関係に資するかを判断される。お見合いがめったに次につながらないところまで同じである。

[日経産業新聞2016年10月18日付]

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