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農産物の輸入制度を透明に

コメや乳製品などの輸入農産物は国民にとって身近な存在でありながら、その制度にはわかりにくいものが多い。複雑な農産物の輸入制度は、不正や利権の温床にもなる。政府は農業改革を進める中で、簡素で透明性の高い仕組みに変えるべきだ。

国家貿易で管理される輸入米の入札で輸入商社が買い手のコメ卸に「リベート(調整金)」を支払っていた問題について、農林水産省は国産米価格の下落につながる影響は確認できなかった、との調査結果を発表した。

この入札はSBS(売買同時入札)と呼ばれる。政府にコメを売る輸入商社と政府からコメを買い付ける卸がペアを組み、差額の大きい順番に落札できる。

現在は日本が関税ゼロで輸入するミニマムアクセス枠(年間77万トン)のうち、おもに主食用の10万トンがSBSの対象になっている。環太平洋経済連携協定(TPP)が発効すれば、最大7万8400トンのSBS枠が加わる。

市場が縮小しているとはいえ、主食用米の規模は700万トンを超す。コメ市場全体からみればSBSで売却される輸入米の比率は小さく、その分だけ安く出回ったとしても価格形成への影響はないとみられる。

しかし、輸入商社は調整金をコメ卸との契約の外で支払い、それを知っていたのは一部の関係者だけという。不透明さは否めない。入札が目的とする市場原理や、差額の大きさを競う公平性の確保にも疑問が出る。農水省が調整金の支払いを禁止する方針は当然だ。

農産物の輸入制度も、全体としてもっと透明性の高いものに改善すべきだ。

国家貿易品目の輸入バターなどを管理する独立行政法人、農畜産業振興機構の取引の仕組みはコメ以上に複雑だ。差額関税という特殊な関税がかかる豚肉の輸入では、安価な豚肉を高く買い付けたように見せかける申告で脱税が絶えない。輸入量や価格を政府が管理する以上、見直しが必要だ。

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