アジアの企業と共に成長を

2016/10/9 3:30
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日米欧の先進国の景気がもたつくなかで、アジア経済の成長が目立っている。6~7%で伸び続けるベトナム、フィリピンを筆頭に、特に東南アジア諸国連合(ASEAN)の活力は旺盛だ。

域内人口は6億2千万人と欧州連合(EU)を上回り、中間所得層が消費で内需を支えている。10カ国合計の国内総生産(GDP)は2030年までに日本を抜き、8兆ドルに達するとの試算もある。

成長力の源泉は、地元の企業群だ。デジタル分野の技術革新や収益モデルの刷新に挑む企業の姿は高度成長期の日本を思わせる。

日本はアジアの元気を見習いたい。バンコクで開いた国際会議「日経Asia300グローバル・ビジネス・フォーラム」は、自らの言葉で経営を語るアジア企業の経営者が目立った。用意した原稿を読む登壇者は皆無に近い。

タイの最大財閥チャロン・ポカパン(CP)グループのタニン・チャラワノン会長は、技術や消費動向の変化への機敏な対応を強調した。「リスクをとれば、日本企業はもっと成長できる」との指摘は、内部留保をもて余す日本の経営者の耳に痛いのではないか。

インドIT(情報技術)最大手タタ・コンサルタンシー・サービシズのナタラジャン・チャンドラセカラン社長は「デジタル化は経済の『非物質化』を意味する」と、伝統的なモノ作りからの発想転換を促した。経済の未来像を予見し、先手を打って投資する姿勢が勝敗を分けるのは間違いない。

トップの指導力が強い一方、国有企業や財閥が幅をきかし、経営の情報開示が乏しいなど、新興国の企業には課題も多い。だが域内への投資が増えるにつれ、透明性を高める圧力が増すだろう。

アジアの有力企業約300社を対象とする株価指数「日経アジア300指数」の公表が12月から始まる。アジア企業の実像を見定めるうえで役立つはずだ。日本とアジアの企業が経営を競いつつ公正で活気ある市場を築くことが、地域の長期的な成長につながる。

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