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放映権 主砲はネット? 多彩な配信 早く広く稼ぐ

2016/10/5 3:30
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 昨年、パ・リーグ6球団の共同事業会社パシフィックリーグマーケティング(PLM)が、スタジオのような情報発信基地「パ・リーグデジタルメディアセンター」を東京都内に開設した。インターネット中継を行う「パ・リーグTV」の充実を図り、映像編集や情報入力、SNS(交流サイト)への配信をほぼリアルタイムで実施。若者に野球への関心を引かせる努力を続けている。

専用ゴーグルを装着するとバックネット裏からの映像が360度見られる(ロッテのVR実証実験)

専用ゴーグルを装着するとバックネット裏からの映像が360度見られる(ロッテのVR実証実験)

 いつでも、どこでも視聴できる利点をいかして会員を7万人まで伸ばし、主力事業に育てたPLMは、今年度数十億円の売り上げを見込み、80%以上をデジタル部門で稼ぐ。根岸友喜執行役員は「6球団の映像をまとめて外部に放映権を売り、自前でも配信することで早く広く露出できるのが強み」と話す。

 かつては巨人戦で1試合当たり1億円ともいわれたテレビの放映権料は下落し、スマートフォン(スマホ)やタブレット端末の登場によって視聴スタイルは変化。放映権ビジネスは転換期を迎えている。国内ではいずれ収益面でネットがテレビを逆転するともいわれ、やり方次第で“稼ぎ頭”に育つ潜在力がある。

 DeNAは放映権収入に占めるネットの割合が参入時の5%から30%に伸びた。8月下旬には英国のスポーツコンテンツ配信大手、パフォームグループが手掛ける国内向けサービス「ダ・ゾーン」で配信開始。球団関係者は「これからはスポーツ中継をリアルタイムで見ながら、ユニホームや帽子もその場で購入できるようになる」と語る。

 広島も県内を除いて「ダ・ゾーン」で主催試合を配信。「この流れは必然だし、時代に沿って意思決定をしないと。やらない手はない」との声はネット中継が市民権を得たことを意味している。

 最近は仮想現実(VR)も新たなキーワード。ロッテは9月25日に試合を生中継する球界初の実証実験を行った。専用ゴーグルを装着するとバックネット裏からの映像が360度見られる。球団は継続的なサービスの提供を検討。通信速度や画質を確保する課題は残るが、今後VR中継が広まる可能性は十分ある。

 サッカーのJリーグは英パフォームと10年間で総額2100億円の大型契約を結んだ。プロ野球界も市場をさらに拡大させるには、ネット放映権を一括管理して12球団のパッケージで売り込むことが一つの手になるだろう。

 ただ、放映権は各球団が管理。メディアを親会社に持つ球団もあることから、その動きは乏しい。ある関係者は球団によってはビジターが視聴できない不便さを指摘し、「バラバラにやるのはファンに不親切。現実的には難しいが、まとまる努力はすべきだ」と語る。

 米大リーグはこの分野で数歩先を進み、日本は市場規模で水をあけられた。「日本野球機構(NPB)が管理してアジアに展開し、それを原資にファンの開拓や野球振興に充ててほしい」。ある球団幹部が描くような日はやってくるだろうか。

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