/

米はランチも定額制 100店からお持ち帰り

(三浦茜)

米サンフランシスコのランチは平均12ドルもかかる。安くておいしいランチ探しは毎日の悩みの種である。

米サンフランシスコでは近隣の約100店がランチを提供

そんな中、1食あたり6から7ドルでランチが食べられる「MealPal(ミールパル)」という月額サービスがスタートした。

月20食で月額120ドル、12食で77ドル、6食で42ドルと3つのコースがある。ボストンやニューヨークなどでサービスを提供。サンフランシスコではオフィスが集中している地域の約100店をネットワークしている。

なぜ通常より安価で食べられるのだろう。初めてということもあり、筆者は一番安い月額42ドルのコースを申し込んだ。1食あたり7ドルの計算だ。オフィス周辺で10ドル以下のランチを探すのは至難の業なので、かなりの節約になる。

利用者はウェブかアプリからランチを事前オーダーする必要がある。受付時間は前日の夜7時から当日朝の9時半まで。各レストランが提供するメニューは1日1種類だ。お店の場所を確認し、15分刻みの受取時刻を選び予約を完了する。

当日、時間になったらお店に出向き、カウンターで用意されたランチを受け取る。もちろん、お持ち帰り用にパックされている。ランチタイムの行列を回避できるのもメリットだ。

注文したランチは通常いくらなのか、店のメニューを確認したところ11ドルだった。4ドルもお得に食べられる。正直なところ、使い始めた当初は前日からランチのことを考えるのは変な気分だった。翌日何が食べたいか全くイメージできない。しかし4ドルも節約できるならば、そのぐらいは受け入れられる。

ミールパルは受取時に予約完了メールを見せるよう促しているが、実際には自分の名前を伝えれば済む店が多かった。受取時刻に遅れてしまっても、特段問題はなかった。

店側のメリットも明確だ。基本的にお持ち帰りなので、キッチンの稼働をあげれば対応できる。事前注文に従い、忙しくなるランチ前の時間に下準備すればいい。メニューも1日1種類で材料調達コストを下げやすい。

みうら・あかね 上智大学卒。サンフランシスコ在住。米国でアーリーステージのスタートアップ投資を行うスクラム・ベンチャーズ マーケティングVP。

利用者は店をまたいで100種類から選べるので全く問題はない。対象店は有名チェーンから個人経営まで、メキシカン、日本食、サンドイッチ、サラダなどバリエーション豊かだ。

筆者が大きなメリットだと感じたのは、お店探索として機能している点だ。受け取りに行く必要があるため、おのずとオフィス近くの店からチェックする。それを通じて、近くなのに知らない店があることに気づいた。

素通りしていた店、裏路地で気付かなかった店、ちょっと距離があると思って避けていた店にも行くことになり、定番ばかりになりがちなランチ時の行動を変えてくれた。

このサービスの創業者は、スポーツジムで同様の仕組みの「ClassPass(クラスパス)」を立ち上げた1人。様々なジムのヨガやズンバなどのクラスをネットワークし、利用者はジムをまたいで利用できる。今回はそのランチ版を作ったというわけだ。

こういった月額で複数の事業者をネットワークするサービスは、様々なジャンルに広がっている。例えば美容室、カフェ、それに子供の習い事。

前述のクラスパスは2013年創業だが、グーグルベンチャーズなどから8400万ドルの出資を受け、世界の30を超える都市でサービスを提供している。

1つの成功モデルができるとジャンルを超えて一気に広がる様子は、非常に米国のスタートアップらしい展開である。

(スクラムベンチャーズ マーケティングVP)

[日経MJ2016年9月23日付]

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン