2018年8月20日(月)

SNSで家のプロ仲介 理想の住まい模擬体験

2016/9/24 6:30
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 家をリフォームしたり建てたりしたい消費者と専門家を橋渡しする交流サイト(SNS)、「ハウズ」が利用者を増やしている。米国生まれで昨年に日本語版が登場。様々な施工例を写真で紹介し、意見交換や仕事の依頼もできる。アプリで写真を組み合わせ、理想の住まいを模擬体験する機能も支持を集めている。

様々な検索項目から改修の実例を見たり、プロを探したりできる

様々な検索項目から改修の実例を見たり、プロを探したりできる

 「高い天井と低い天井、どちらが理想ですか?」「おすすめの椅子を教えてください」。ハウズ日本語版には家づくりに関心のある消費者とプロが集い、掲示板で質問や意見交換をしている。

 プロが設計・施工した実例写真や住まいに関する特集記事もずらり。「リビング」「キッチン」など場所ごとの写真を一覧表示させることも可能だ。写真や記事は誰でも自由に見られるが、気になった写真の保存や共有、意見投稿などをするには無料登録が必要だ。登録者は1万人を超えているようだ。

 ハウズには多くのプロも登録。設計事務所や建築家、工務店、インテリアコーディネーターなど国内の企業と個人で1万2千を超えた。日本に進出した昨春時点の1000件から10倍以上に急増した。

 プロは誰でも自由に登録できるが、施工例の写真だけでなく消費者からの口コミ評価を公開し、質の低い業者が淘汰されるようにする。

 プロと消費者をつなぐサイトはiemo(東京・渋谷)やSUVACO(東京・港)など日本勢も展開しているが、登録者や写真の多さではハウズが群を抜く。

 運営する米ハウズの日本法人、ハウズ・ジャパン(東京・渋谷)の加藤愛子社長は「豊富な情報を組み合わせて、楽しく効率的に家づくりのイメージを膨らませてほしい」と語る。

 ハウズ・ジャパンは使い勝手を高めようと、スマートフォン(スマホ)やタブレット(多機能携帯端末)で使えるアプリの提供を始めた。好評なのが理想の空間を疑似体験できる新機能「スケッチ」。スマホで撮った自室などの写真に、ハウズ内の建材や照明、家具などの写真をはりつける。

 一方、ハウズで直接プロに依頼して工事が実現した例は、正確な数は集計できていないが、まだ多くなさそうだ。

 都内のある設計事務所はハウズ上で何人かから「無料でプランをつくってほしい」と依頼されたが、受注に結びつかなかった。同社は宣伝効果に期待しながらも「無料サイトなので顧客の熱心さや依頼の具体性が乏しいことも多い」とみる。

 日本は消費者とプロがネットで交流したり仕事を頼んだりする習慣が根付いておらず、皆が使いこなし方を探る。

 ただハウズの潜在力は大きい。14カ国に進出し、世界のサイト訪問者数は月平均で計4千万人を超える。国内外の消費者は様々な国の事例や専門家にもアクセスできる。

 小笠原正豊建築設計事務所(東京・文京)の小笠原代表は米国の建築士資格も持ち、ハウズ経由での海外からの受注も目指している。

 ハウズは情報量が多いだけに「個々が埋没しやすい」(業界関係者)という声もある。サイトを見ている消費者の関心や地域などに応じて表示内容を頻繁に変えるターゲティング広告を海外で取り入れており、日本でも始めれば1つの道しるべになりそうだ。

 消費者とプロが出会い、密度の濃いやりとりを通じて工事にも結びつく。そんな流れが日本に定着するにはもう少し時間がかかりそうだが、不透明な住宅・リフォーム市場の可視化とよりよい住まいづくりが実現することを期待したい。(大林広樹)

[日経MJ2016年9月21日付]

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