2019年6月17日(月)

魚の乱獲を日本主導で防げ

2016/9/20 3:30
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マグロなど水産資源の管理を議論する国際会合が国内で開催された。しかし、いずれの魚種も厳格な資源管理では合意に達していない。新興国の需要拡大で乱獲の危機は増しており、最大消費国の日本が資源管理をけん引すべきだ。

北太平洋の公海上の漁業管理を話し合う北太平洋漁業委員会(NPFC)は、サバの資源管理が焦点になった。昨年の初会合でサンマ漁船の隻数増加に歯止めをかけたものの、今度は中国漁船によるサバの漁獲が急増。NPFCのまとめでは、中国漁船のサバ漁獲量は2015年に13万トンを超え、14年の5倍強に増えた。

サバ漁船の数をこれ以上増やさないことや資源量調査の実施で合意できたことは前進だ。ただ日本が提案した厳格な漁船規制には中国が反発し、「増やさないことを推奨」という表現にとどまった。

乱獲防止の観点からは力不足が否めない。各国・地域で資源量を確認し、必要なら漁獲量そのものの規制にも踏み込むべきだ。

魚群探知機の発達は、これまでの資源管理が想定していなかった広い公海での漁業を可能にした。水産物の需要が増える中国や台湾は大型の漁船を建造し、日本の排他的経済水域のすぐ外側で操業を続けている。資源管理も技術革新や新興国の台頭に合わせて見直し、乱獲を防ぐ必要がある。

中西部太平洋のマグロ類などを管理する国際機関(WCPFC)の会合では、クロマグロの子供が3年連続で著しく少なかった場合に漁獲量をさらに減らす緊急ルールを日本政府が提案した。だが米国は発動条件の期間が長すぎるなどとして日本案に反対し、ルールづくりは来年に持ち越された。

米国の主張には環境保護団体の意見が強く反映されている側面はある。それでも足元のクロマグロの資源量が危機的に低い水準にあることは間違いない。日本は緊急ルールに改善の余地があるかどうかを点検し、その規制で資源量を着実に回復できることを科学的に説明しなければならない。

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