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日本はVR・ARで主導的な地位を狙え

新しい映像表現を可能にする仮想現実(VR)や拡張現実(AR)といった技術が注目を集めている。使いみちは幅広く、産業への奥深い影響が予想される。革新の担い手となって市場を創り出す戦略が、日本企業は必要だ。

VRは主にゴーグル型の端末を使い臨場感ある映像を実現する。一方のARは現実の空間にデジタル情報を重ねて表示する技術だ。対応する機器の世界市場は2020年代半ばに10兆円を超えるとの試算がある。今のテレビやノートパソコンに匹敵する規模だ。

まず成長をけん引するのは、ゲームやスポーツ観戦など娯楽の領域だ。今週、幕張メッセで開かれる「東京ゲームショウ」では初めてVRコーナーが設けられ、ソニーグループなど国内外の30社以上が端末やソフトを展示する。

日本勢は事業拡大の好機だ。VR・AR機器にとっては、高精細の表示装置や、動きや位置を検知するセンサーなどが大切だ。スマートフォン(スマホ)用の部品で技術を磨いてきたメーカーは強みを発揮できるはずだ。

コンテンツ販売も有望といえる。ARゲーム「ポケモンGO」は日本のキャラクターと新技術が融合した成功例だ。海外のコンテンツ市場で日本のシェアは数%とされる。VR、ARをアニメや映画といったコンテンツの輸出を促す起爆剤にしてほしい。

娯楽以外にも活用の動きは広がっている。医療では遠隔診断やリハビリに、教育では体験型学習にVRを生かす取り組みが進んでいる。ARは小売業者が店頭で商品説明に用いる試みなどがある。事業モデルを編み出し生産性を高める道具としても見逃せない。

VRとARはスマホに続く基盤技術に育つとの見方がある。フェイスブック、マイクロソフトなど米国のIT(情報技術)大手や、韓国や台湾の有力企業が相次ぎ参入し、競争は激しい。

ITをてこに経済成長をめざす日本も負けてはいられない。パソコンやスマホの分野では海外勢の後じんを拝し、イノベーションの停滞を招いた。VR、ARでは主導的な地位を狙うべきだ。

没入感の強い映像が身体に与える影響の把握など、安全に利用するための課題は残る。ただ人工知能やロボットと同様に様々な産業のあり方を変える力を秘めているのは確かだ。新市場をつくる柔軟な発想を企業は求められる。

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