北朝鮮の体制を脅かすほどに強い制裁を
何がなんでも核ミサイルを完成させるつもりなのだろう。北朝鮮は1月初めに続き、核実験を強行した。そんな彼らの暴走を止めるため、北朝鮮の体制を脅かすくらい強力な制裁の発動を真剣に検討すべき局面にきている。
北朝鮮による核実験は2006年から5回目となる。韓国気象庁の分析によると、今回は1月の2倍にあたる爆発で、これまでの中で最大の規模だ。事実とすれば、強力な核爆弾が完成に近づいていることになる。
さらに懸念されるのは、今回の実験について、北朝鮮が「核弾頭爆発実験」であると発表していることだ。ただの核爆弾ではなく、ミサイルに搭載できる核弾頭を完成させ、その威力を試したという意味だろう。
北朝鮮の発表にはしばしば、他国への脅迫をねらった「はったり」が含まれており、額面通りに受け止めるわけにはいかない。
だが、ミサイルに積める核弾頭を北朝鮮が本当に持っているとすれば、各国への脅威は、これまでとは比べものにならない次元に高まる。北朝鮮が核ミサイルを配備する日が近づいていることを意味するからだ。
そうなれば、北朝鮮のミサイル射程内にある日本と韓国はもちろん、日韓に米兵を駐留させている米国にも安全保障上、極めて重大な事態になる。北朝鮮が核ミサイルを片手に暴走すれば、中国も深刻な影響を免れないだろう。
では、どうすれば、北朝鮮の暴走を止められるのか。今回はっきりしたのは現在、彼らに科している程度の制裁では、全く効き目がないということだ。局面を打開するには、北朝鮮の後ろ盾である中国も動かし、いまよりも格段に重い制裁を発動するしかない。
核兵器に固執する北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長の究極的な目標は、体制の存続にあるとされる。だとすれば、このまま核とミサイルの開発を続ければ、政権が崩壊してしまうと彼が感じるほど、重い制裁を浴びせる必要がある。
まず大事なのが国連安全保障理事会の決定による制裁だが、これだけでは十分ではない。日米韓や欧州連合(EU)が結束し、各国独自の制裁もさらに強めなければならない。そのうえで、最大のカギをにぎる中国が北朝鮮への経済支援をやめるよう、中国への圧力も強めていくことが肝心だ。