2018年12月15日(土)

G20は自由貿易と改革の推進へ行動を

2016/9/6 3:30
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成長が鈍る世界経済をいかに立て直し、反グローバル化の流れをどう食い止めるか。各首脳は自由貿易と構造改革の推進へ断固とした意志と行動を示す必要がある。

中国・杭州で開いた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は、成長促進へ金融政策、財政政策と構造改革の総動員を確認して閉幕した。保護貿易を排し、為替の安定を保つ方針でも一致した。

世界経済は3%程度の成長で伸び悩み、最大のけん引役である議長国の中国では景気失速や過剰債務の懸念が消えない。英国の欧州連合(EU)離脱の決定などでグローバル化に逆風が吹く。杭州サミットは低成長の克服と自由貿易の促進が最重要の議題となった。

G20首脳は経済成長に対する「重層的なリスク」(習近平・中国国家主席)への危機感を共有した。日米欧が進めてきた大胆な金融緩和に頼り切る時期は過ぎた。機動的な財政政策と大胆な構造改革を進めないと活路は開けない。

とりわけ重要なのは、潜在的な各国・地域の成長力を底上げする構造改革の断行だ。

日本を先頭に少子高齢化の波が欧米や中国に広がり、成長の頭打ちや社会保障財政の悪化が懸念される。構造改革でイノベーションを促し、成長を阻む規制や制度を取り除くことが急務だ。

中国による鉄鋼の過剰生産問題も世界経済の波乱要因になっている。内需減速でだぶついた中国産の鉄鋼が輸出され、市況悪化が欧米やアジアの雇用を脅かす。G20が設置に合意した協議の場で早急に妥協点を探らねばならない。

世界の成長を揺るがす保護主義との戦いは緊急度を増した。自由貿易を追求する地域間の取り組みが岐路に立たされているからだ。

日米など12カ国の環太平洋経済連携協定(TPP)には、米大統領選挙で競う2候補がともに反対を表明した。米国とEU間の自由貿易協定、東アジアを包括した経済連携も立ち往生しかけている。

日本貿易振興機構によると世界の貿易額は2015年に6年ぶりのマイナスに転じた。モノやサービスの流れが停滞して世界全体がじり貧に陥る事態はなんとしても避ける必要がある。

G20首脳にはグローバル化を支持する意志を堅持し、その利益を人々に粘り強く訴える努力が求められる。世界経済の8割を握る先進国と新興国のトップによる合意は重い。成果が厳しく問われる。

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