PCデポ炎上 世間は適法より「適切」重視 (徳力基彦)

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2016/9/4 6:30
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想像するに、PCデポ側としては、法的には自社には問題はないという認識で、今回の指摘はクレーマーによる過剰な批判という印象なのかもしれない。

とくりき・もとひこ 名大法卒。NTTを経て06年アジャイルメディア・ネットワーク設立に参画、09年社長。14年3月から取締役最高マーケティング責任者(CMO)。

とくりき・もとひこ 名大法卒。NTTを経て06年アジャイルメディア・ネットワーク設立に参画、09年社長。14年3月から取締役最高マーケティング責任者(CMO)。

この一連の対応を見ていて、思い起こされるのが舛添要一・前東京都知事の騒動だ。初期のファーストクラス利用などへの問題提起に強気の反論をして火に油を注ぎ、次々に騒動が拡大。最終的に都知事辞任まで追い込まれてしまった。

舛添氏も何度も「違法ではないが一部不適切な点があった」という趣旨の発言を繰り返していたが、今回のPCデポの対応にも同じ姿勢が重なってみえる。

2つの騒動に共通するのは、騒動の本質の誤解だ。こうした問題が社会の注目を集めたときに、人々が重視するのは、実は「違法かどうか」ではなく「社会的に適切かどうか」になってきているということだ。

今回のPCデポの騒動では、社会的弱者である老人とその息子に対する姿勢が問われているのだ。騒動発覚から数日で対応方針を発表したにもかかわらず、現場で告発者をクレーマーとした扱いに終始してしまっては、せっかくの対応方針自体も疑って見られてしまう。

今はツイッターなどの交流サイト(SNS)により、一人ひとりの消費者がメディアになってしまった時代だ。

企業活動は適法であれば良いという話ではなく、1人の消費者の先に大勢の人々の厳しい監視の目があり、1人の怒りが広く伝播(でんぱ)する時代になったことを忘れてはいけない。

(アジャイルメディア・ネットワーク取締役)

〔日経MJ2016年9月2日付〕

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