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本気で世界一 ボッチャ(重度障害)高橋和樹

今回、リオデジャネイロ・パラリンピックに参加する日本の選手130人あまりのうち、最も障害が重い選手の一人が高橋和樹(自立生活センターくれぱす)だ。

主に電動車いすを使う人が競うボッチャ。その中でも最重度のクラスBC3で戦うが、「メダルを持ち帰らずに帰ってくることは日本代表として本当に恥ずかしいこと」など、アスリートとしての覚悟を示す言葉がぽんぽん飛び出す。

それもそのはず。かつては柔道で頂点を目指していた。小学生の時に埼玉県大会、中学で関東大会を制し、スポーツ推薦で強豪高へ。でも高2の夏、練習試合で投げられて首の骨を折り、体の80%以上がまひ。常に介助を受ける生活となった。

それでもできるスポーツを探し、最初は車いす選手が戦うツインバスケを見学。だが、自分の障害では趣味の域にとどまる。「やるなら本気で世界一になりたい」と考えていたところ、東京パラリンピック開催が決まり、その可能性があるボッチャを2年前から始めた。手の自由がきかないので、滑り台のようなランプ(勾配具)にアシスタントが置いた球を転がしてプレーする。

そこからの軌跡は鮮烈だ。昨年末の日本選手権に初出場初優勝。今年3月の世界選手権で世界ランク3位と2位の選手を相次いで撃破、決勝では同1位の韓国選手にこてんぱんにやられたものの準優勝し、リオ切符を勝ち取った。

急成長の理由は、欧州流の「動かすボッチャ」を学んだことだ。ボッチャはカーリングに似た競技で、先攻がまず目標となる白いジャックボールをコート内に置き、ここに赤や青の球を近づけ、相手の球よりジャックに近い分が得点となる。

違うのはジャックも動かせる点。高橋は、相手がジャックの周りに壁を築いても、すきをつき球をジャックにあてて動かし、その先の布石として置いた自分の球に近づけて得点をあげる。「6球投げきって初めて、だからここに転がしていたのかとわかる試合が理想」と話す。

リオでの目標はメダル。そして「東京で目指すのは当然、世界一」。障害は重いが、力強い言葉はやはりアスリートのものだ。

=敬称略

(摂待卓)

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