2019年4月24日(水)

「モノよりコト」米国でも 若者の78%支持
ブランドン・ヒル(米ビートラックスCEO)

2016/9/2 6:30
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米国のサンフランシスコやシリコンバレーから様々なサービスが生まれてヒットしている。その大半のきっかけは若者消費者である。

グーグルやフェイスブック、ツイッターやウバー、最近であればスナップチャットといった米国発のサービスは、一般的に知名度が上がるより先に若者ユーザーの間で頻繁に利用されていた。全米人口の過半数が37歳以下であり、米国市場全体における若者消費者が占める割合は日本と比べると格段に大きい。

米国では、現在、20歳から37歳の人たちを「ミレニアル」世代と呼ぶ。2000年以降に20歳になった人たちの総称だ。彼らを対象とする製品・サービスの市場規模は2020年までに1兆ドルを超えると考えられている。企業としては若者世代が大きなターゲットになる。

この世代はデジタルメディアの利用率が高い。物心ついたときからパソコンやスマートフォン(スマホ)に触れて育ったので「デジタルネーティブ」とも呼ばれている。

札幌市生まれ。サンフランシスコ州立大学デザイン学科在学中からウェブサイトのデザイナーとして活躍。卒業後の2004年にブランディング・ユーザーエクスペリエンスデザインを手掛けるビートラックスを設立。趣味はバイク、テニス、ロック音楽。

札幌市生まれ。サンフランシスコ州立大学デザイン学科在学中からウェブサイトのデザイナーとして活躍。卒業後の2004年にブランディング・ユーザーエクスペリエンスデザインを手掛けるビートラックスを設立。趣味はバイク、テニス、ロック音楽。

統計的にみても、ミレニアル世代の62%がネット上のコンテンツを通じて企業やブランドと接していると感じている。それに対して、ネットを通じて適切なブランドコミュニケーションができている企業は32%にすぎない。そして、この若者たちの実に85%がスマホを所有している。米国の若者にとって最も重要な情報入手の手段(チャネル)の1つがスマホである。

スマホのユーザーの実に83%は寝るときもスマホを手放さないという。ブランドとしてはアップルの人気が高く、アイフォーンの所有率は他の世代の1.5倍に達している。ソーシャルメディアを経由して企業とやり取りするときも、彼らはパーソナルな感覚を優先する。好きになったブランドは率先してソーシャルメディアに投稿(ポスト)する傾向が見られた。そして米国の若者の78%がモノより経験にお金を使いたいと回答している。日本流でいえば「モノよりコト」だ。

米国企業の多くが若者世代のファンを構築するため、イベントを自社のブランド構築のチャネルの1つとして活用している。デジタルメディアに接する時間の長い世代を対象に、臨場感のあるイベントを開くことでソーシャルメディアでの情報共有が進む。彼らの友人の中でイベントに参加していない人にも自社のブランドを知ってもらう効果を期待できる。

米ニールセンの調査によると、18~24歳の24%がイベントのスポンサー企業の製品を試してみたいと回答した。この数値は10代に限ると31%に上昇する。コンサートのスポンサーをしたことで、そのアーティストのファンからの購買率が28%アップしたという調査結果もある。

モノを買う場合、若者の所有欲は製品(プロダクト)自体に対してではなく、プロダクトを所有する理由から生まれている。最も好きなブランドとして米テスラ・モーターズをあげた26歳の男性は、その理由を「未来を視野に入れたグローバルなブランドと感じる。テスラの代表のイーロン・マスク氏はリスクを恐れずにチャレンジを続けており、その姿勢に共感できるから」と説明している。企業やブランドは自らの存在意義を伝えることが重要になっている。

このように、日々スマホでネットに触れ、ソーシャルメディアを活用する若者の心をつかむには、体験型のプロモーションと、企業の社会的存在意義をストーリーとして伝えていくことが必要になるだろう。

[日経産業新聞2016年8月30日付]

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