新風 Silicon Valley(日経産業新聞)

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

「モノよりコト」米国でも 若者の78%支持
ブランドン・ヒル(米ビートラックスCEO)

2016/9/2 6:30
共有
保存
印刷
その他

 米国のサンフランシスコやシリコンバレーから様々なサービスが生まれてヒットしている。その大半のきっかけは若者消費者である。

 グーグルやフェイスブック、ツイッターやウバー、最近であればスナップチャットといった米国発のサービスは、一般的に知名度が上がるより先に若者ユーザーの間で頻繁に利用されていた。全米人口の過半数が37歳以下であり、米国市場全体における若者消費者が占める割合は日本と比べると格段に大きい。

 米国では、現在、20歳から37歳の人たちを「ミレニアル」世代と呼ぶ。2000年以降に20歳になった人たちの総称だ。彼らを対象とする製品・サービスの市場規模は2020年までに1兆ドルを超えると考えられている。企業としては若者世代が大きなターゲットになる。

 この世代はデジタルメディアの利用率が高い。物心ついたときからパソコンやスマートフォン(スマホ)に触れて育ったので「デジタルネーティブ」とも呼ばれている。

札幌市生まれ。サンフランシスコ州立大学デザイン学科在学中からウェブサイトのデザイナーとして活躍。卒業後の2004年にブランディング・ユーザーエクスペリエンスデザインを手掛けるビートラックスを設立。趣味はバイク、テニス、ロック音楽。

札幌市生まれ。サンフランシスコ州立大学デザイン学科在学中からウェブサイトのデザイナーとして活躍。卒業後の2004年にブランディング・ユーザーエクスペリエンスデザインを手掛けるビートラックスを設立。趣味はバイク、テニス、ロック音楽。

 統計的にみても、ミレニアル世代の62%がネット上のコンテンツを通じて企業やブランドと接していると感じている。それに対して、ネットを通じて適切なブランドコミュニケーションができている企業は32%にすぎない。そして、この若者たちの実に85%がスマホを所有している。米国の若者にとって最も重要な情報入手の手段(チャネル)の1つがスマホである。

 スマホのユーザーの実に83%は寝るときもスマホを手放さないという。ブランドとしてはアップルの人気が高く、アイフォーンの所有率は他の世代の1.5倍に達している。ソーシャルメディアを経由して企業とやり取りするときも、彼らはパーソナルな感覚を優先する。好きになったブランドは率先してソーシャルメディアに投稿(ポスト)する傾向が見られた。そして米国の若者の78%がモノより経験にお金を使いたいと回答している。日本流でいえば「モノよりコト」だ。

 米国企業の多くが若者世代のファンを構築するため、イベントを自社のブランド構築のチャネルの1つとして活用している。デジタルメディアに接する時間の長い世代を対象に、臨場感のあるイベントを開くことでソーシャルメディアでの情報共有が進む。彼らの友人の中でイベントに参加していない人にも自社のブランドを知ってもらう効果を期待できる。

 米ニールセンの調査によると、18~24歳の24%がイベントのスポンサー企業の製品を試してみたいと回答した。この数値は10代に限ると31%に上昇する。コンサートのスポンサーをしたことで、そのアーティストのファンからの購買率が28%アップしたという調査結果もある。

 モノを買う場合、若者の所有欲は製品(プロダクト)自体に対してではなく、プロダクトを所有する理由から生まれている。最も好きなブランドとして米テスラ・モーターズをあげた26歳の男性は、その理由を「未来を視野に入れたグローバルなブランドと感じる。テスラの代表のイーロン・マスク氏はリスクを恐れずにチャレンジを続けており、その姿勢に共感できるから」と説明している。企業やブランドは自らの存在意義を伝えることが重要になっている。

 このように、日々スマホでネットに触れ、ソーシャルメディアを活用する若者の心をつかむには、体験型のプロモーションと、企業の社会的存在意義をストーリーとして伝えていくことが必要になるだろう。

[日経産業新聞2016年8月30日付]


「日経産業新聞」をタブレットやスマートフォンで

 全紙面を画面で閲覧でき、各記事は横書きのテキストでも読めます。記事の検索や保存も可能。直近30日間分の紙面が閲覧可能。電子版の有料会員の方は、月額1500円の追加料金でお読み頂けます。


人気記事をまとめてチェック

「テクノロジー」の週刊メールマガジン無料配信中
「テクノロジー」のツイッターアカウントを開設しました。

新風 Silicon Valley(日経産業新聞)をMyニュースでまとめ読み
フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

共有
保存
印刷
その他

電子版トップテクノロジートップ

【PR】

新風 Silicon Valley(日経産業新聞) 一覧

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

2016年10月から一定の条件を満たすと年収106万円以上なら社会保険料負担が生じる

変化に対応するには「戦略」より「仕組み」が重要

 企業戦略が重要と言われるようになって久しい。企業が成長していくには、市場や顧客のどこを攻めるのかを決め、どこに自社の強みや弱みがあるのかを把握する必要がある。行き当たりばったりでなく、ちゃんと考えま…続き (9/22)

スマホを使う人たち(東京・銀座)

スマホアプリの利用者獲得がなぜうまくいかないのか

 消費者を直接の顧客とする企業は、スマートフォン(スマホ)のアプリの急速なはやり廃りを目の当たりにしてきた。アプリのユーザーを獲得するには費用がかかる。しかも、そのためのキャンペーンがうまくいかないこ…続き (9/15)

事業会社のベンチャー投資を成功させるには

 新事業創造や企業変革を進めたいという意識を持つ企業は、シリコンバレーのベンチャー企業と真剣にかかわろうと模索している。自社の資金をプールしてベンチャー投資を行う、コーポレート・ベンチャーキャピタル(…続き (9/8)

新着記事一覧

最近の記事

【PR】

TechIn ピックアップ

09月23日(土)

  • 日産と三菱が「EV祭り」フランクフルトショー欠席の理由
  • ゲームの真髄は「身体性」―Niantic川島氏×スクウェア・エニックス三宅氏【対談】
  • 次に狙うのはFinTech、出遅れたNTTドコモは巻き返せるか

日経産業新聞 ピックアップ2017年9月22日付

2017年9月22日付

・レシート、スマホで9割超読み取り、ISP
・薬副作用、iPSで予測 武田、早期に安全性見極め
・花火・海外挙式、VRで体感 近ツー、遠隔地に同時中継
・農作業の負担軽く、電動台車が自動追尾 中西金属工業
・抗がん剤を使いやすく、シンバイオ 米社技術導入…続き

[PR]

関連媒体サイト