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東京五輪の成功へ課題の解決を急ごう

世界中に感動と興奮を与えて、リオデジャネイロ五輪が幕を閉じた。選手や観客らがテロや大きな事故に巻き込まれることなく日程を終えたことに、まずは安堵したい。

閉会式でスタジアムに描かれた「東京で会いましょう」の文字に、4年後への期待は膨らむが、その前に横たわる課題は多い。国、東京都、大会組織委員会の3者は、残された時間で解決に向け迅速に動き出してほしい。

まずは、大会予算の問題である。招致時の計画書で示したのは3者で計7340億円だが、テロ対策や人件費、資材費の高騰などで2兆~3兆円に膨らむ懸念が指摘されている。

組織委などは早期に増加の見通しや理由、内訳を明らかにするとともに、削減への道を探って、国民や都民に理解を求めなければならない。

とりわけ、迷走が目立つのは組織委が担う仮設会場だ。整備費用は当初の約4倍の2800億円まで増える見通しといい、組織委と前の都知事らとの間で、都が一部を引き受けることで合意した。

都はすでに新国立競技場の建設でも450億円の支出が決まっており、それに加わる負担となる。小池百合子都知事は追加分に関し「精査したい」と述べたが、開催都市として、さらなる財政の支出拡大となれば都民に丁寧な説明が必要だろう。

会場計画が確定しないため、選手らを円滑に輸送する手段も検討が進んでいない。招致時に都などは、高速道路や主要幹線に「オリンピックレーン」を設ける構想を掲げた。しかし、警視庁を中心にまとめられる輸送計画は未着手のままだ。選手村ができる臨海部の輸送力の向上も不可欠で、早急な対応が求められる。

選手の育成や強化の面でも懸案が見えた。リオ五輪で日本は過去最多の41個のメダルを得たが、「お家芸」とされる柔道やレスリング、水泳に集中した。東京大会では、バレーボールやサッカーといった団体球技でも世界と肩を並べる姿を期待したい。

五輪での選手の活躍は、様々な年齢の人たちが競技に取り組む契機となろう。技能の向上や健康維持と目的は違っても、スポーツへの関心が高まり、裾野が広がるほど、成熟社会での人々の生き方も輝きは増す。メダルの数以上に価値があることではないだろうか。

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