敗戦後、失われた預金 日本国債(5)
財政・金融一体化に警鐘
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敗戦を告げる玉音放送の半年後。1946年2月16日夕刻の渋沢敬三蔵相によるラジオ演説で国民は「国家財政の敗戦」を知らされる。「預金の支払制限 世帯主三百円」「新日銀券を発行」……。後の日本経済新聞、「日本産業経済」は翌日付でこう報じている。
元財務相の藤井裕久氏(84)は「旧円に証書を貼った紙幣を新円代わりにしたことをよく覚えている」。預金封鎖と新円切り替えの準備は極秘に進められ、新札を刷る余裕...
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