2018年11月21日(水)

尖閣揺さぶりに動じぬ体制を

2016/8/9 3:30
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中国が先週後半から、沖縄県・尖閣諸島の周辺海域で挑発的な動きを強めている。日本は海上保安庁を中心に警備を固め、実効支配が揺らぐことがないよう万全を期さなくてはならない。

緊張が高まったのは5日からだ。200隻を超す中国漁船が尖閣の周辺海域に姿を見せ、後を追う形で中国公船が領海に侵入した。領海と周辺の接続水域での航行は続き、8日には一時、15隻が確認された。これほど多くの中国公船が同時に入った例はない。

これらは意図的な挑発である。外務省が中国側に重ねて抗議したのは、当然の対応だ。だが、抗議を受けて中国側がこうした行動をやめるとは思えない。日本としては、尖閣周辺の警備に当たる海上保安庁の体制を強化し、すきを与えないことが大切だ。

気がかりなのは、日中間の海上警備力のバランスが中国優位に傾いていることだ。千トン以上の大型船の場合、2013年ごろまでは日本の海上保安庁の保有数が中国海警局を上回っていたが、14年に逆転した。

15年には日本約60隻、中国約110隻となり、大きく差が開いている。中国が強気なのは、こうした変化と無関係ではないだろう。海上保安庁の巡視船や人員をどれほど拡充する必要があるか、日本政府は改めて精査し、早急に手当てする必要がある。

東シナ海では、日中の中間線の中国側にある構造物の上に中国が対水上レーダーを設置したことも分かり、外務省が抗議した。「海洋強国」の建設を掲げる中国は、南シナ海ばかりでなく東シナ海への進出も加速している。

来年の共産党大会での最高指導部人事を控え、中国は内政の季節を迎えている。対外強硬路線は、習近平政権の内政とも大きく関わっているとみられる。

尖閣諸島を巡っては海保と自衛隊の連携も欠かせない。そのうえで意図しない衝突を防ぐため、日中の危機管理体制の構築を中国側に働きかけることも肝要だ。

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