ニッポンのワザ

フォローする

新素材、軽さと強さ両立 アシックスの短距離走靴

2016/8/4 3:30
保存
共有
印刷
その他

「これは軽いですね」。陸上短距離代表の桐生祥秀、福島千里の両選手が試作品を履いた時の感想だ。アシックスがリオデジャネイロ五輪向けに開発した陸上短距離用スパイクシューズ。内側にミシンの縫い目がなく「足を1枚の布で包み込むような」感触が特徴だ。東レが開発を進めていた自動車の特殊部品用素材に目をつけ、軽くて強い陸上スパイクを生み出した。

シューズの内部の縫い目をなくし、包み込むような感触に

シューズの内部の縫い目をなくし、包み込むような感触に

「ほんまにこんな加工できるんか?」。長年様々な靴製造を手掛けた職人がうなるほど新しいスパイクの製造・加工は難題だった。

従来は人工皮革など約40の部品をミシンで縫い合わせ立体に仕上げていく。一方、新製品はポリエステル繊維と弾力性の高い特殊繊維を織り込んだ「HL-0メッシュ」を採用。基本的に1枚の新素材を立体に仕上げる。外側に貼り付ける補強用など部品はわずか10程度。縫い目もない。

生地の厚さは0.5ミリメートル程度で従来の靴に比べ最大4分の1の薄さだ。片足10グラム程度軽くなった。内部に縫い目がないので、素足でスパイクを履く桐生選手には効果は絶大とされる。仏代表で100メートル9秒台の記録を持つルメートル選手も同設計のスパイクを履いてリオに臨む。

開発したアスリート・カスタムチームの田崎公也さんは「シューズは僕らの分身。選手と一緒に戦っている気持ちだ」と語る。

 リオ五輪・パラリンピックを黒子役として支える日本企業の隠れた「ワザ」を追う。

ニッポンのワザをMyニュースでまとめ読み
フォローする

電子版の記事が今なら2カ月無料

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップスポーツトップ

ニッポンのワザ 一覧

フォローする
オーエックスエンジニアリングはアスリートとミーティングを重ねて製品開発にいかす

 リオデジャネイロ・パラリンピックが日本時間の8日、開幕する。軽さ、強度、操作性、繊細さ――。障害者スポーツ最大の祭典で繰り広げられる試合を陰で支えるのが、日本企業の様々な技術だ。2020年の東京パラ …続き (2016/9/8)

NECのシステムは米でも採用(写真はイメージ)

 リオデジャネイロ五輪の期間中とその前後にブラジルへの旅行者は40万~50万人にのぼると予想される。空の玄関はリオ国際空港とサンパウロ国際空港だ。両空港では職員が入国者に目を光らせている。
 税関施設は …続き (2016/8/10)

ポリエステル20%配合。軽いが丈夫な繊維を開発した

 メダル獲得が続く日本のお家芸、柔道。2015年の国際柔道連盟のルール改正で柔道着の形状・素材などの規定がより厳格になり、メーカーの工夫の余地が狭まった。「ならば原料の繊維から工夫しよう」。ミズノはル …続き (2016/8/9)

ハイライト・スポーツ

[PR]