怖い話・花火・天体観測… 夏の夜、アプリで演出
「空いた時間にさくっと怖い話を」――。アプリ開発会社のトムソン(東京・世田谷)が配信している「実録!怖い話」は、手軽に「ゾッと」できるアプリだ。幽霊や怪奇現象のほかにも、奇妙な実体験に関する新しい「怖い話」を定期的に更新している。
ユーザーである都内在住の20代の女性は、「電車を待っている時間など、ちょっとした時間があると、つい見てしまいます」と話す。多くの話は2~3分程度で読める手軽なもので、簡単な操作で閲覧できる。
一般の人でも「投稿」機能を使えば、怖い話を簡単に掲載することができる。怖い話を執筆したら、アプリ経由で同社に送付する仕組みだ。同社はストーリーなどを精査した上で、掲載をするため、「読んでも書いても楽しめる」(同社)。
このほか、全国200カ所以上の「心霊スポット」も紹介。心霊スポットの特徴や由来を画像を交えて紹介。ダウンロード使用料ともに無料。
画面方向の星空表示

夏の夜はアウトドアも魅力的だ。天体観測アプリ「スターウォーク(Star Walk)」は、星空をより楽しめるように手助けする。
アプリを立ち上げカメラを空に向けると、画面にその方角に見える星の画像などを重ねて映し出す。さらにその画像をタッチすると、星や流星群について解説を見ることもできる。太陽からの距離は、時間とともにどう変化するのか、どの星座に属する星なのか――。星に関する情報が簡単に手に入る。
星とともに夜を彩るのは、花火だ。「花火大会の場所取りに便利です」――。出版関連会社に勤める河内芽生子さん(38)は3年前の夏、多摩川花火大会を機にアプリの配信会社CAD CENTER(東京・千代田)が配信する「AR花火スコープbyHaNAVI(花火スコープ)」を使い始めた。
「花火スコープ」では、スマホに表示される目の前の景色に花火を打ち上げたイメージを表示する。全地球測位システム(GPS)が利用者の位置を特定し、花火が打ち上げられる場所の情報と照らし合わせ、その位置からどう花火が見えるかを計算する仕組みだ。
利用者はアプリで参加する花火大会を選択。あとは目の前の風景をスマホに映すだけ。すると、イメージの花火が打ち上がり、その場所からどう花火が見えるのかを事前に把握できる。
500カ所の大会情報
河内さんが出かける多摩川の花火大会は毎年8月の下旬、川崎市の多摩川河川敷で開催される。打ち上げ数約6千発の大規模なもので、旅行会社などが集計する花火大会ランキングで、上位入賞の常連だ。ただし、例年の人出は約30万人と一度場所が決まると簡単に移動ができなくなる。

河内さんは3年前のこの花火大会の当日、時間があり早めに会場に行くことができた。ただ、どこから見るのが一番いいのかわからなかった。それが花火スコープによって「花火の見え方が把握できた。それ以来、花火大会での場所取りに使っている」(河内さん)。
アプリには全国約500カ所の花火大会の場所、期間、観客動員数や花火の打ち上げ数などの情報が入力してある。カレンダーや地域から検索することが可能だ。
日中の暑さばかりに気をとらわれがちな夏だが、アプリを活用すれば、夏ならではの夜の魅力に気づくかもしれない。
(メディア戦略部 飯島圭太郎)
[日本経済新聞夕刊2016年7月28日付]
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