春秋

2016/7/22 3:30
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「ながら族」。おじさんおばさん世代には懐かしい響きである。深夜ラジオを聴きながらテスト勉強をした当時の若者たちは、上の世代から「あれで集中できるのか」と眉をひそめられたものだ。昔の族の一人としては、それなりに勉強も進んだように記憶するのだが。

▼現代版ながら族といえば、歩きスマホが思い浮かぶ。こちらはかつての「ながら」に比べ、評判はさらに悪い。通行の妨げというだけでなく、他人にぶつかったり駅のホームから転落したり、安全に直結する問題だから当然だろう。それで携帯会社はじめ駅や学校では「歩きスマホはやめよう!」と注意を呼び掛けてきた。

▼こうした流れからすれば、驚愕(きょうがく)の事態ということになるのではないか。米国などで人気が沸騰しているスマホ向けゲーム「ポケモンGO」が近く日本でも配信される。利用者がスマホを片手に街にひそむ架空のキャラクターを探して捕まえる遊びだから、歩きスマホが爆発的に増えるのは避けがたいのでは、と心配になる。

▼日本生まれのゲームが世界中のファンを熱狂させている。それ自体はビジネス譚(たん)として痛快事かもしれない。だが没頭しやすい子どもたちがゲームに夢中になり、事故やトラブルに巻き込まれることがあってはならない。いよいよ夏休み本番を迎える。ここは「元ながら族」が目を皿のようにして見守っていく必要がある。

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