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「レシピ動画」人気過熱 作らなくても見てしまう
藤村 厚夫(スマートニュース執行役員)

2016/6/30 6:30
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 フェイスブックやインスタグラムなどの交流サイト(SNS)を使い慣れている人なら、今、そのタイムライン(新着トピックを伝える画面)に、いつの間にか料理動画があふれていることに気づいているはずだ。

デリッシュキッチンは海外での視聴も意識し、英語字幕をつけている
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デリッシュキッチンは海外での視聴も意識し、英語字幕をつけている

 「インターネットは動画の時代」という指摘はよくされるが、いまや「料理動画」全盛の時代が到来したと言い換えても誇張ではないほどだ。

 SNSで口コミが広がる話題の記事をふんだんに投入して読者を伸ばしてきた米国のメディア、「バズフィード」でも、現在の成長の柱は「テイスティー」というブランド名を持つ人気の料理動画シリーズだ。同ブランドは、フェイスブックで6000万人、インスタグラムで340万人ものフォロワーを誇り、人気の高い料理動画ともなると数千万回も再生されることがある。

 動画に力を入れるフェイスブックでも、その再生が追いつかずシステム障害を起こしかけたとのウワサがあるほどだ。

 「テイスティー」を追いかける料理動画メディアも多い。やはり米国の「テイストメイド」は、フェイスブックで1700万人、インスタグラムで160万人がフォローする。これとて、人気動画の再生回数は1000万回に近づく。

 国内でも、料理動画の人気は過熱する一方だ。スマートフォン(スマホ)向け動画で先行する「C CHANNEL」は、料理とファッションに中心テーマを絞り、やはりフェイスブックで170万人がフォローする。さらに新興メディアの「DELISH KITCHEN(デリッシュキッチン)」も同100万人に達している。

 料理動画は「レシピ動画」と呼ばれることも多いが、実は、今晩の料理を決めるための実用情報として見られることは、少ない。

 人気SNSの上に流れてくる料理動画は、食欲が喚起され、ついついいくつもの作品を見てしまう「中毒性」の高い、もっとも新しいメディア分野なのだ。

ふじむら・あつお 法政大経卒。アスキー系雑誌の編集長、外資系IT(情報技術)企業のマーケティング責任者を経て2000年にネットベンチャーを創業、その後の合併でアイティメディア会長。13年から現職。東京都出身、60歳。

ふじむら・あつお 法政大経卒。アスキー系雑誌の編集長、外資系IT(情報技術)企業のマーケティング責任者を経て2000年にネットベンチャーを創業、その後の合併でアイティメディア会長。13年から現職。東京都出身、60歳。

 他にも、ファッションやDIYなど、人気の動画テーマはあるものの、どうして料理が他を押しのけるほど中毒性が高いのかには諸説ある。米国などでは「フードポルノ」と呼び、料理とセックスの関連性を指摘する論文もある。

 たとえば「フードポルノ」を自ら名乗るツイッターの発信者は、たっぷりとシロップがかかったパンケーキ、具材があふれるようなハンバーガーなど、これでもかというほど「カラダに悪そう」で、魅惑的な料理写真ばかり集めている。

 社会学的な議論は別として、現在の人気料理動画には共通する特徴がある。1分以内の短尺、無音で再生する前提で、短めで大きな文字の字幕が用いられるなど、スマホでの視聴に最適化されていることだ。

 画像は美しく、テンポよい演出でついついいくつも見てしまう。気軽にSNSで「いいね」やシェアなど口コミしやすいのも特徴だ。さらに、料理という性質上、国境や言語の壁も越えやすい。デリッシュキッチンでは簡単な英語字幕を加え、海外での視聴を意識している。

 中毒性と口コミ力のある料理動画。新興メディアがSNSの力を借りて成長を遂げるには絶好のテーマといえそうだ。

[日経MJ2016年6月27日付]


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