2019年2月20日(水)

混乱を深めた舛添知事の遅すぎる辞職

2016/6/16 3:30
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東京都の舛添要一知事が21日に辞職する。参院選を控えて都議会与党の自民党、公明党からも不信任決議案の提出を突きつけられ、続投を断念した。都政の混乱を深めた今回の舛添氏の判断は、遅きに失したと言わざるを得ない。

都議会での一連の審議を通じても、舛添知事の政治資金の私的流用や公用車の公私混同などに関する疑惑は解消されなかった。

知事は千葉のホテルで会談したという「出版社社長」の名前を明かすことを拒み、家族同伴で招かれたという音楽会などについても招待主を明かさなかった。政治資金で購入した美術品の行方などもはっきりとわかっていない。

先日公表した弁護士2人による調査結果まで疑われかねない状況だ。これでは都民は納得しない。説明責任を自ら十分に果たさなかったのだから、舛添知事の辞職は当然だろう。

問題の発覚以降、都政の停滞も深刻になった。都庁の担当窓口に寄せられた苦情や意見は3万件を超す。都議会では知事が都政の重要課題に関して答弁できない事態になり、任期が切れる副知事の後任人事も一時、決められない状況に陥った。

これで、誰が新知事になろうともその次の都知事選は2020年の東京五輪の開催期間に近くなる公算が大きい。世論に一度火が付いて流れができると、長期的な視点は顧みられなくなる。これが「劇場型政治」の現実だろう。

14年2月に舛添氏は211万票を集めて都知事に初当選した。「世界一の東京」を掲げて、障害者雇用の促進、水素社会の実現、国際金融センター構想など、様々な施策に取り組んだ。

石原都政の負の遺産だった新銀行東京も他行との経営統合に踏み切った。知事個人の問題とは別に、舛添都政そのものはある程度評価できるのではないか。

東京五輪に向けた競技施設の整備はこれから本格化する。深刻な待機児童の解消、超高齢社会への対応、環境対策の推進など、都政は依然として様々な課題を抱えている。日本経済のけん引役として東京が果たす役割も大きい。

13年12月に辞職した猪瀬直樹氏に続く、「政治とカネ」問題での都知事の退場になる。4年間で3度目の都知事選というのは異常事態としか言いようがない。

今度こそ、政治資金にきれいな候補者を選びたい。

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