2019年5月20日(月)

エブリー、1分の料理動画 隙間時間にサクッと再生

2016/6/18 6:30
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動画メディアを運営するエブリー(東京・渋谷)が、わずか1分間の料理動画で若い女性をひきつけている。消費者が投稿するレシピサイトとは違い、自社制作で短さと分かりやすさを追求。スマートフォン(スマホ)で隙間時間にも見やすい。料理好きの若い世代に効果的に届く点を訴え、大手食品メーカーの食材を使った広告動画を増やしている。

家庭で簡単につくれる料理の動画を毎日配信する

家庭で簡単につくれる料理の動画を毎日配信する

主力サービスの「DELISH KITCHEN」は、家庭で簡単につくれる料理の動画を毎日配信する。閲覧は無料。料理番組といえばキユーピーが提供する「3分クッキング」が有名だが、同社ではテンポよい映像で1分間に凝縮した。

まな板や鍋を真上から映し「じゃがいも2個」「薄く切る」「弱火で5分」など、簡潔なテロップとともに手順を追う。2015年9月にサービスを開始したばかりだが、動画の再生数は月間500万回を超える。

東京・表参道にある同社のオフィスはキッチンや撮影スタジオを備える。料理研究家と一緒にレシピを考え、社内でスピーディーに動画を製作できる。レシピ数は現時点で約350種類。利用者がレシピを投稿するクックパッドと比べれば少ないが、社内で編集しているため動画の品質は統一されている。

主な利用者は20~30代の女性だ。若年層のテレビの視聴時間が年々減る一方、高性能なスマホの普及でインターネット動画を視聴する人は増えている。動画を1分間に収めることで、仕事や育児などで忙しい人でも電車に乗っている間など隙間時間に見やすい。

作成した動画はフェイスブックなどの交流サイト(SNS)や、動画共有サービスのユーチューブなどを通じて配信、拡散してもらう。

例えば2月のバレンタインデーに合わせてチョコレートを使ったレシピを紹介したところ、フェイスブックで200万回再生されたほか、実際に料理をつくった写真が数百枚、画像共有サービスのインスタグラムに投稿された。SNSなどを通じて動画が目に触れた数を示すリーチ数は、月間900万人を超えた。

メディアとしての集客力が高まりつつあるなか、エブリーが注力するのは企業と連携した広告動画だ。江崎グリコやエスビー食品、明治など大手食品メーカーと新商品を使ったレシピを紹介する動画の配信を始めた。例えば明治とは冷凍食品のチーズリゾットを使ったレシピを公開。再生回数は25万回にのぼった。

多くの動画広告では、視聴者が見ようとしたコンテンツとは関係ない内容の広告が流されている。エブリーの動画メディアではもともと料理に興味のある人をターゲットに配信できるため「高い広告効果が期待できる」(吉田大成社長)。

同社は料理のほか、美容・ファッション、子育て中の母親向け、ニュース映像の4つの動画メディアを運営。合計の月間リーチ数は2500万人に達する。

エブリーを15年9月に創業した吉田社長はグリーの元取締役で、同社のゲーム事業の立ち上げに携わった。人気ゲーム「釣り☆スタ」を生み出した人物で、ノウハウを動画メディアの事業に生かしている。

このほどグロービス・キャピタル・パートナーズ(東京・千代田)などの大手ベンチャーキャピタルから6億6千万円を調達した。優秀な人材を採用し、高品質の動画コンテンツを量産できる体制を整える。吉田社長は「将来はテレビCMと並ぶようなブランドマーケティングができるメディアに育てたい」と語る。

(鈴木健二朗)

[日経MJ2016年6月15日付]

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