/

AI時代の著作権を考える

政府の知的財産戦略本部は先月公表した知財推進計画で、デジタル化やAI(人工知能)の進化の波に対応するために、著作権について「柔軟な権利制限規定」の必要性を提唱した。それを受けて文化審議会著作権分科会が法制化に向けて検討することになった。

新時代にふさわしい著作権保護の仕組みとは何か。権利者の利益保護に配慮するのは大前提だが、一方で著作物の円滑な利用を促し、新規のビジネス創出を妨げない、柔軟で線引きのはっきりした制度作りに取り組む必要がある。

インターネットの普及で、文章や写真、動画など著作物の利用機会が大きく増え、個人が自分でつくったコンテンツを流すなど権利者の顔ぶれも多様化している。

AIをより賢くするには、大量のデータを読み込ませ、学習させる作業も必要だ。そのデータの中に著作権で保護されている情報が交ざっていれば、著作権侵害に問われるのか否か。先端技術の開発現場ではそんな悩ましい問題に直面する場面も増えるだろう。

こうした事態を想定しつつ、AIの進化のようなイノベーションの創出と知財保護のバランスの取れた仕組みを作ることが重要だ。これまでは新技術の登場などで権利制限の必要が生じた場合、著作権法に個別の条文を加える形で手当てしてきたが、技術革新のスピードは速い。個別条文方式で対応できる道があるのかどうかを含めて議論を深めてほしい。

海外の仕組みとある程度、足並みをそろえることも大切だ。例えばネット上の動画投稿サイトのように日本と米国の著作権制度の違いが一因になって、日本勢が出遅れてしまった事例もある。サイバー空間における国際競争の土俵を公平なものにするという視点が今後さらに重要になるだろう。

一方で音楽や映像を安易にコピーする風潮があるのも事実だ。個人ブログにおける記事の全文無断転載なども相変わらず目立つ。「ネット上の複製はすべて無償」といった議論には異議を唱えたい。

初割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン