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なお残る甘利氏の説明責任

建設会社と都市再生機構(UR)との補償交渉をめぐり、あっせん利得処罰法違反の容疑で告発されていた甘利明前経済財政・再生相と2人の元秘書について、東京地検が不起訴処分とした。

有力な政治家の秘書が陳情を受けて民間の交渉ごとに関与し、多額の金銭を受け取ったとしても何ら罪には問われない。この結果に釈然としない思いを持つ人は多いのではないだろうか。

今回の不起訴は「嫌疑なし」ではなく「嫌疑不十分」である。あくまで刑事責任を問えるだけの証拠はない、という意味だ。起訴されなかったからといって、甘利氏の政治的・道義的責任まで消えてなくなるわけではない。

甘利氏は今年1月、閣僚を辞任した際の会見で現金授受など経緯の一部を説明したが、その後は健康問題を理由に国会を欠席し続けている。会見で約束した弁護士らによる調査結果などを、政治倫理審査会などの場で積極的に明らかにしていくべきだ。

甘利氏の説明などによると、2013年、千葉県内の建設会社の元総務担当者が、道路工事をめぐるURとの交渉について甘利事務所に相談した。元秘書らはUR職員と面談を重ね、UR側が約2億2千万円を建設会社に支払うことで決着した。元秘書は元総務担当者から500万円、甘利氏本人も計100万円を受け取っている。

あっせん利得処罰法は政治家や秘書が公務員に口利きをした見返りに報酬を受け取ることを禁じている。だが立件するには、「議員の権限にもとづく影響力の行使」があったことを具体的に証明しなければならない。国会議員やその秘書に適用されたことはなく、かねてザル法との指摘があった。

今回のようなケースが不問に付されるなら、交渉に介入して謝礼をもらうことはおよそ通常の政治活動ということになる。果たしてそれでいいのか。国民の信頼を取り戻そうという気持ちがあるのであれば、国会は法律の見直しに向けた議論を始めるべきだ。

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