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オバマ氏、広島で献花 「核廃絶めざす勇気を」

被爆者と対話、抱擁 現職米大統領で初、謝罪はせず

現職米大統領として初めて広島を訪れ、演説するオバマ米大統領 (27日、広島市中区の平和記念公園)=代表撮影

オバマ米大統領は27日夕、現職の米国大統領として初めて被爆地、広島を訪れた。平和記念公園の資料館を見学し、原爆慰霊碑に献花した。この後の演説で米国を含む核保有国は「『核兵器なき世界』を目指す勇気を持たなければならない」と述べ、核廃絶への決意を訴えた。かつて激しい戦火を交えた日米両国について「同盟関係だけではなく友情を築き上げた」と語り、日米の和解の軌跡と揺るぎない同盟関係を強調した。

オバマ氏は当初、数分間の声明を読み上げる予定だったが、17分間と大幅に超えた。広島、長崎への原爆投下が「戦争終結を促した」という米国内の肯定論を意識し投下の是非には踏み込まず、謝罪もしなかった。

演説終了後には式典に参加していた被爆者と握手しながら対話した。涙ぐむ被爆者の肩を強く抱きしめた。オバマ氏は演説に先立ち訪れた資料館で「核兵器なき世界を追求する勇気を持とう」と記帳した。オバマ氏が一連の行事を終え、専用車に乗り込むまでの時間は約40分だった。

演説で広島訪問について「亡くなった10万人を超える日本人、数千人の朝鮮半島出身の人、捕虜になった十数人の米国人を追悼するためだ」と述べ、原爆の犠牲になったすべての人を追悼した。さらに「あのひどい戦争やそれまでの戦争、そして未来の戦争の罪なき犠牲者全員に思いを寄せる」とも述べ、全ての戦争の犠牲者に哀悼の意を示した。

オバマ氏は「71年前のよく晴れた雲のない朝、空から死が降ってきて世界は変わった」と演説を始め「この空に上がったキノコ雲の姿は人類が持つ矛盾を強く思い起こさせる」と語った。最後は「広島と長崎は、核戦争の夜明けとしてではなく、私たちの道義的な目覚めの始まりとして記憶されるだろう」と締めくくった。

核廃絶の目標については「私の生きているうちには達成できないかもしれない。だが、たゆまぬ努力で惨劇の可能性を後退させることはできる」とした。そのうえで「いつか証言してくれる被爆者の声を聞くことはできなくなるが、1945年8月6日朝の記憶は決して消えてはならない。この記憶で我々は独りよがりではいられなくなる」と指摘。「紛争を外交手段で解決する努力をしなければならない」とも訴えた。

同行した安倍晋三首相はオバマ氏の後に演説した。「米大統領が被爆の実相にふれ、核兵器のない世界への決意を新たにすることで、核なき世界を信じてやまない世界中の人々に大きな希望を与えてくれた」と述べ、核廃絶の進展に期待した。 現職の米大統領初の広島訪問を実現したことには「歴史に新たなページを刻むオバマ大統領の決断と勇気に心から敬意を表したい」と評価。平和記念公園での行事には広島、長崎の被爆者や松井一実広島市長、田上富久長崎市長らが出席した。

○原爆の恐ろしさに思いをはせ、犠牲者を悼むために広島に来た
○科学技術の進歩に道徳的な進歩が追いつかなければならない
○被爆者から学び、戦争が起きにくい世界を作っていく
○核兵器を持つ国は核兵器のない世界を目指す勇気を持たなければならない
○広島、長崎が核戦争の夜明けでなく、道徳の目覚めの地として知られる未来を目指す

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