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「夕飯何作ろう?」の悩み解決 半調理品ネット宅配

(村山らむね)

最近、食品の通販やネットショップで、半調理品が非常に目につく。例えば私もよく利用するオイシックスの「キットオイシックス」。2013年7月の発売以来、大きな支持を得ている。週に2キットずつ定期購入する「献立コース」は2万人が愛用しているとのこと。価格は1食あたり1000~1500円ほどだ。

また長年の定評があるのは、パルシステムなどの生協の開発商品。レンジでチンだけで済んだり、湯煎や自然解凍だけで調理が完成する「サバの味噌煮」や「ハンバーグ」など。さまざまな商品がそろっている。

献立を考えなくてすむのは大きい。今日の夕飯、何にしよう?という面倒臭さは、毎日積み重なると大きなストレスになる。夫婦のみもしくは単身シニアの世帯が、料理がおっくうで簡単にすませたいというニーズにも合致しているようで、私の母も最近はほとんどの夕飯を生協の半調理品でまかなっているそうだ。

半調理食材は実店舗のスーパーにも置いてあるが、ネット注文で宅配してくれる利便性は圧倒的だ。ワーキングマザー(ワーママ)は通勤の帰りに子供のお迎えにいくと、買い物をする時間がない。帰宅後1秒でも早くと思うと、料理のやり方がキットについている商品は非常に便利だ。

一方で受け取り時間には家にいないといけない。ワーママは土曜日の午前中に届くように注文するのが生活の知恵だ。コンビニエンスストアでのクール宅急便の受け取りが一般化すればいいのだが。

キットオイシックスはサイトでの商品説明も詳しく分かりやすい。個々の商品には9つのマークがつけられているが「人気」「ピリ辛」などに加えて、「洗い物少量」「包丁不要」「準備ラク」という実際に料理をする人の身に立ったマークが目につく。また冷凍保存のものは賞味期限が長いのもうれしい。

当然、おいしくなければリピーターにはならない。有名食材を比較的低コストで購入でき、旬の食材をプロの知恵で整えている。キットオイシックスの商品もおいしくてしゃれていて、また自分でも作りたくなる商品ばかりだ。

そして、最後に充足感。キットオイシックスのキャッチコピーは「忙しくてもちゃんと手作りしたい方へ」。レシピを考える手間と、材料を買い集める手間と、下調理をする手間を省いても、「ちゃんと手作り」にはこだわりたい。

家事を主担当する人のそんな気持ちに沿うこと。ここが切なくなるほど重要なのだ。「安いよ」「簡単だよ」だけでは、ここまで浸透しなかっただろう。

マイルールを厳格に持っているワーママは多い。かくいう私も、夕食はとにかく早くを基本命題にしながらも、冷凍食品は使わない、インスタントラーメンの類は食卓に載せないなど、つまらないこだわりを数々持っていた。

便利な商品を、利便性・時短というだけで売り込んでも、すっと心に入らない場合がある。「家族の健康を考えている」という自分のプライドが傷つかない文言こそ、受け入れられやすい。

手抜きへの言い訳と、これを選んでいい理由(わけ)。この2つのバランスが、半調理品だけではなく忙しい女性への時短商品のアプローチには重要なのではないかと思われる。栄養バランスや素材の良さなどの説得力があってこその、時短やお得感の演出だろう。

ちなみに、4月から娘も大学生。すっかり我が家の食のルールは崩壊し、3日連続でカップラーメンを食べている。

(通販コンサルタント)

〔日経MJ2016年5月27日付〕

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