「an」が楽しいバイトを提唱 SNSで動画を拡散

2016/5/21 6:30
保存
共有
印刷
その他

人材サービス大手インテリジェンスの求人サイト「an」が、「超バイト」と題した企画型アルバイトで若者をひきつけている。人気アニメのグッズを作ったり、農作業で男女が出会ったり。体験は動画などで公開し、ツイッターで2万件以上のリツイートを集める企画も出た。「お金を稼ぐためだけに働く」イメージを変え、気軽にバイトに触れてもらう狙いだ。

「就農体験で恋愛が芽生えるか」などユニークな企画を実施し、サイトで公開する

「就農体験で恋愛が芽生えるか」などユニークな企画を実施し、サイトで公開する

「超バイト」は芸能人への1日密着や映画のアフレコなど通常では体験できないバイトを募集し、体験リポートや動画を特設サイトに掲載する。2015年8月からスタートし、現在まで24の企画を実施している。

20代前後の若者がバイトに持つ「『必要に迫られつらくてもやらなければいけないもの』というイメージを変えたかった」。インテリジェンスのWorksディビジョンマーケティング企画統括部の森久朋さんは狙いを話す。

そこで、バイトでは「出会いや楽しさもある」ことを伝えるため、思わずやりたくなるバイト企画を定期的に立ち上げるようにした。

バイトの求人サイトは求人数以外で差別化しにくいが、企画を通じて「an」の認知度を上げる狙いもある。

交流サイト(SNS)を通じたインターネット上での二次拡散も狙い、ネット上で人気の作品や人気になりそうな企画を選んで楽しんでもらえるようにした。

タイアップ先も、話題になれば宣伝効果が得られる。募集人数は少ないが、映画のアフレコでは1日のバイト料が1人当たり5万円など高額な案件も多い。

バラエティー番組に出演することも多いプロレスラーの長州力と天龍源一郎の対談の書き起こしをするバイト「日本一滑舌が悪い対談」では、選ばれた3人のバイトの感想や、対談の書き起こしを基にした対談記事と動画をサイトに掲載した。

掲載ページの下の方に、「滑舌の良いバイトを探す」と題した求人ページへのリンクを貼って誘導する仕組みにした。

人気アニメ「おそ松さん」とのコラボでは、おそ松さんグッズ制作の現場体験バイトを募集した。ツイッターで「an」のアカウントをフォローし、募集のツイートをリツイートすることで応募する形式にしたところ、約2週間の応募で2万4千件リツイートされた。フォロワーが増えれば「an」の認知度向上にもつながる。

「バイトは出会いの場でもある」ことを訴えるバイトでは、男女を3人ずつ募集して1日の就農体験バイトをさせて、実際に恋愛に発展するかという形式にした。何回も閲覧したくなるように、1日のバイトを5回のエピソードに分けて掲載するドキュメンタリーにした。

厚生労働省によると、3月の有効求人倍率は1.30倍(季節調整値)だった。企業の採用意欲の高まりで正社員の人手不足が目立つが、販売や接客の場面で必要とされることの多いバイトは正社員以上に採用に苦戦しているという。

労働条件が過酷な「ブラックバイト」なども話題になった。厚労省の調査でも大学生らの6割が、「賃金がきちんと支払われない」「合意した以外に勤務させられた」といったトラブルを経験しているといった実態も明らかになり、バイトの就労に慎重になる動きも出ている。

バイトへの認識を変えるためにはバイトをする層に対して「定期的な接点を持たなければならない」と森さんは話す。今後は月に2~5回は「超バイト」を企画して学生らへバイトの価値を訴求していく狙いだ。(上原翔大)

[日経MJ2016年5月18日付]

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]