/

日中はハイレベルの相互訪問で対話を

訪中した岸田文雄外相と中国の王毅外相が会談した。岸田外相の訪中は1年半ぶり。王外相は就任以来、訪日していない。国際会議の利用ではない本格会談の実現は4年半ぶりで、道半ばの関係改善への一歩である。歓迎したい。

昼食会を含め4時間半近い会談では溝の深さも垣間見えた。中国は下旬の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)で南シナ海問題を取り上げる日本の意向に反対し、日本とベトナム、フィリピンの連携にも神経をとがらせている。

とはいえ、周辺国の懸念を顧みず、岩礁を埋め立て、拠点化したのは中国側だ。習近平国家主席が昨秋、米中首脳会談後の共同記者会見で「軍事化しない」と約束したのとも矛盾している。

中国の対日姿勢には変化の芽もある。民間を含む対日交流の拡大には前向きだ。岸田外相と同時期に訪中した山崎拓・元自民党副総裁らは中国共産党序列5位の劉雲山氏と会談した。

「日本は中国の発展に正確に向き合ってほしい」という劉氏の言葉には中国の本音がにじむ。経済減速下の中国は、安定成長に向けてなお日本を必要としている。両外相が世界経済の安定に向けた連携で一致したのは前進だろう。

安全保障問題を巡る日中の立場は異なる。だが偶発的な衝突を防ぐ「海空連絡メカニズム」確立で摩擦をコントロールしつつ、経済関係を強化することは双方の利益になる。この面からも中断している閣僚級の日中ハイレベル経済対話の復活を急ぐべきだ。

岸田外相と会談した中国の李克強首相は、対日関係が正常な軌道に戻るよう望むと語った。今年、日本で開く方向の日中韓首脳会談の際、久々の中国首相の公式訪問を実現させる必要がある。今後も丁寧な地ならしが求められる。

9月に中国で開く20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて、安倍晋三首相と習主席の会談を復活させるべきだ。政治主導色が強い中国だからこそ、トップ同士の意見交換は貴重である。

中国はこれまで関係がギクシャクしている相手国の首脳らとの会談を拒むことで外交圧力をかけてきた。王外相も北朝鮮問題を巡って岸田外相が申し入れた電話協議を拒んだ経緯がある。

日中両国は経済面では相互依存関係にある。非生産的な手法は避けなければならない。問題があるからこそ対話が重要である。

春割ですべての記事が読み放題
今なら2カ月無料!

セレクション

トレンドウオッチ

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

新着

ビジネス

暮らし

ゆとり

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で申し込むログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で申し込むログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で申し込むログイン