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熊本の名所、復旧見えず

通潤橋、立ち入り制限 水前寺公園、水枯れる

熊本県を中心に相次ぐ地震は観光名所や旧跡にも大きな被害をもたらした。観光は同県の主力産業だが、大きく損壊した熊本城以外にも早期復旧の見通しが立たない施設は多い。交通網が徐々に復旧する一方、大型連休を前に、県内の宿泊施設では期間中で3万7千人以上のキャンセルが出ている。生活再建に加え、観光業への打撃も深刻になっている

「原形をとどめているのが唯一の救いだ」。1854年に完成した国の重要文化財「通潤橋」(山都町)はブルーシートがかけられ、周辺は立ち入りが制限されている。全長75.6メートルで内部に農業用水を流す管が通る。1日1回の放水の美しさが観光の目玉だったが、14日の地震で橋に亀裂ができ中止された。

近くの道の駅で働く田上聖雄さん(62)は「年内の復旧は難しいと町から聞いている」と首を振る。

年間25万人が訪れる菊池渓谷(菊池市)はアクセス道路の県道が土砂崩れで通行止めになり立ち入れない。県道は菊池市と阿蘇市を結ぶ主要な観光ルートだが開通時期は未定だ。同渓谷では地震前の8日に山開きが行われたばかりだった。市担当者は「渓谷の被害の全容を把握できていない。夏までの回復を期待したい」とうなだれる。

「一晩でぺしゃんこになってしまった」。日本赤十字社発祥の地で、県指定重要文化財の洋館「熊本洋学校教師ジェーンズ邸」(熊本市)も16日未明の地震で全壊した。近くに住む無職の男性(71)は「修復は難しいと聞いている。とても残念だ」と肩を落とす。

庭園で有名な水前寺成趣園(熊本市)の池は本震があった16日未明から水位が下がり、大半が干上がった状態になっている。管理する出水神社の担当者は「通常の2割程度の水量。地震の影響だと思うが詳しい原因は分からない」。園内で土産屋を営む男性(66)は「連休前に閉園するのは打撃。いつ開園してもいいように商品の整理をしている」と前を向く。

全国有数の規模と壮麗さを誇っていた熊本城(熊本市)。17世紀から残っていた国の重要文化財「東十八間櫓(やぐら)」「北十八間櫓」が倒壊、約400年間残ってきた石垣も崩れた。修復にどれくらい時間がかかるのか分からず、休園を余儀なくされている。

県観光課によると、県北部の玉名温泉(玉名市)や西部の天草地方では地震による被害が比較的小さく、宿泊施設も通常通り営業しているという。担当者は「被害が少ない観光地や営業再開の情報をしっかりと県外に発信し、少しでも影響を小さくしたい」と話した。

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