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南アフリカ株が底堅さを増している。ヨハネスブルク証券取引所(JSE)に上場する代表的な企業40社で構成する株価指数「FTSE/JSEトップ40」は20日、1カ月ぶりの高値をつけた。資源価格の下落に歯止めがかかり、米国の利上げへの警戒感も和らぎつつある。これまで新興国市場から資金を引き揚げてきた投資家が、再び資金を振り向けているようだ。
相場上昇をけん引するのが資源関連株だ。資源大手の英アングロ・アメリカンや、同社傘下でプラチナ生産世界最大手アングロ・アメリカン・プラチナムは年初来で2倍強に上昇した。
産金大手のアングロゴールド・アシャンティや、豪英BHPビリトンなども堅調に推移する。南アの株式市場は資源セクターの比重が大きく、資源株高を受けて株価指数の上昇に勢いがついている。
商品市場では鉄鉱石が年初から5割高と回復が目覚ましい。金や銀、プラチナなども上昇している。市況回復で「鉱山会社の収益も改善傾向にある」(シティグループのアナリスト、ヒース・ジャンセン氏)。
米連邦準備理事会(FRB)による利上げのペースが緩やかになるとの見方が広がり、投資家心理は改善してきた。資金流出が続いてきた新興国株市場に資金が回帰し、南ア株にも需給面で追い風となっている。
一方、通貨安に歯止めがかかっているものの、インフレ率は高止まりしており、先行きの金融引き締め懸念が根強い。景気減速で財政赤字の改善にも時間がかかる見通しで、国債格付けが投機的階級に転落するリスクも抱える。世界の金融市場でリスク回避の動きが再び強まれば、株高が反転する可能性もある。
(ロンドン=黄田和宏)
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先週(18~22日)の世界の株式市場では、資源価格の反発を受けて上昇する市場が目立った。欧州ではロシアやイタリアが上昇した。日本も大幅上昇した。一方、中国は景気の先行きへの不透明感から下落した。
[日本経済新聞夕刊4月25日付]