2019年8月23日(金)

体育館にウチのスペース 紙筒と布で仕切り「個室」

2016/4/25 3:30
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避難所生活を少しでも快適にしたい――。熊本地震発生から10日が過ぎた24日、熊本市中央区の市立帯山西小学校の体育館に60個の小さな"個室"が誕生した。避難所や車中泊を続ける避難者は県内で依然約6万人。避難所生活の負担を和らげようとする取り組みが求められている。

避難所の体育館で簡易式の間仕切りを設営する人たち(24日、熊本市中央区)

帯山西小は教室に約120人、校庭に車中泊する約80人が避難している。24日午前、熊本大学や慶応大学の学生など約40人が、切り分けた大きなクリーム色の布と紙製の筒を使って体育館の中に約2メートル四方の広さの"個室"を約60室を作った。

設置を提唱したのは、建築界のノーベル賞といわれる「プリツカー賞」を受賞した建築家の坂茂さんが主宰するグループ「ボランタリー・アーキテクツ・ネットワーク(VAN)」。2011年の東日本大震災でも約50カ所の避難所に約1800部屋を作った。

この日、同小を訪れた坂さんは「プライバシーの確保は最低限の人権。安価で簡単なこの施設を導入すれば、車中泊を選びエコノミークラス症候群に苦しむ人がいなくなる」と強調した。

市はゴールデンウイーク明けにも小学校を再開する方針。同小の避難者は再開前に体育館に移動する予定で、"個室"を利用してもらいたい考えだ。

"個室"は23日には大分県竹田市や熊本県南阿蘇村の体育館などに設置。24日は帯山西小のほか、益城町の避難所など2カ所にも設置した。

熊本県内では今後、熊本大の大学生と大学院生らがリーダー役になり、要望があった地域に設置を進める。24日に帯山西小を視察した熊本県の蒲島郁夫知事は「プライバシーの問題は相当解決できる」と期待した。

組み立て作業を見た同小近くに住む福島栄里子さん(33)は長女(8)と次女(6)と当初避難所で生活したものの、「ほかの人の視線にさらされる生活が負担になり、車中泊に変えた」。だが、エコノミークラス症候群を心配し、外壁にひびの入る自宅マンションに戻っている。福島さんは「仕切りがあれば子供も過ごしやすそう。今後ここに来ることも考えたい」と話した。

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