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米大統領、南シナ海の平和解決要求 中国主席と会談
サイバー問題、閣僚級協議

2015/9/26付
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【ワシントン=永井央紀】オバマ米大統領と中国の習近平国家主席は25日午前(日本時間同日夜)、ホワイトハウスで約2時間会談した。これに先立ち開いた歓迎式典でオバマ氏は「米国は根本的な真理について遠慮なくものを言う」と述べ、南シナ海の領有権問題などを念頭に紛争の平和的解決や人権問題の改善を要求した。習氏はお互いの利害を尊重しながら協力する「新型大国関係」の推進を訴えて反論した。

米中両政府は首脳会談に合わせて共同文書を発表し、サイバー攻撃対策に関する閣僚級の対話枠組みの設置や、空中の軍事衝突防止措置について合意した。

オバマ氏は25日朝、ホワイトハウス南庭での歓迎式典で、両国の国歌演奏や儀仗(ぎじょう)隊閲兵の後に歓迎スピーチに立った。まず「中国の安定と繁栄、平和的な台頭を歓迎する」と述べ、世界経済への貢献やイラン核協議の合意などを例示して米中協力の重要性を指摘した。その後に「たとえ協力するにしても、相違点は率直に取り組まないといけない」と中国をけん制した。

続けて登壇した習氏は「今回の訪米は平和と協力を推進するためだ。新型大国関係を構築するという正しい方向を堅持しないといけない」と主張した。習氏が2013年に提唱した「新型大国関係」は米中両国が冷戦期の米ソのように対立するのではなく、相違点をお互いに尊重しながら国際社会の課題解決に向けて協力する関係を指す。

米中を対等の立場に位置づけ、中国の海洋進出や国内の人権問題などに介入しないよう求める意味も含むため、米側は中国側の呼びかけに応じていない。習氏は「ウィンウィンの協力が中米関係を発展させる唯一の選択だ」と述べ、米側に同調するよう求めた。

会談では中国による米政府や企業に対するサイバー攻撃について、オバマ氏が習氏に直接懸念を伝えたとみられる。オバマ政権は中国に経済制裁をちらつかせているが、習氏は「中国も被害者だ」と主張して関与を認めていない。中米で対策を話し合うハイレベルの枠組み設置を提案した。

中国による南シナ海の岩礁埋め立て問題に関しては、オバマ氏は国際法に基づく対応を求めたとみられる。習氏は「主権の範囲内の活動」として受け付けなかったもよう。

中国の通貨、人民元をめぐっては、中国が国際通貨基金(IMF)の準備通貨であるSDR(特別引き出し権)への採用を目指しており、習氏がオバマ氏に理解を求めたとみられる。両首脳は会談後に共同記者会見を開く。

中国外務省によると、習氏は24日の非公式夕食会で「現在の国際秩序を整備するのは、新たな秩序をつくるという意味ではない。より公正で合理的な方向へ発展させることだ」とも訴えた。中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設といった動きは、米国主導の秩序への挑戦ではないと説明。米国のAIIBへの参加も呼びかけた。

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