米、政府閉鎖リスク浮上 28日予算失効
「壁」巡る対立激化

2017/4/26 2:30
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【ワシントン=河浪武史】米連邦政府の2017会計年度(16年10月~17年9月)暫定予算が28日に期限切れとなり、政府機関の一部閉鎖リスクが浮上している。連邦議会は29日以降の新予算を可決する必要があるが、トランプ大統領の看板公約であるメキシコ国境の壁の費用計上を巡って与野党が対立し早期成立のメドが立っていない。トランプ政権は間もなく発足100日を迎えるが、議会運営で再び試練を迎えている。

現在の暫定予算は昨年12月に成立し、今年9月までの本格予算はトランプ政権発足後に議論するとしてきた。ホワイトハウスと共和党指導部は医療保険制度改革法(オバマケア)見直しを優先して議論したが、下院保守強硬派の反対で空中分解した。議会の混乱で新予算の議論も遅れ、28日の期限切れが迫っている。

与党・共和党は上下両院とも過半数を握るが、上院で野党・民主党の議事妨害を阻止するには全100議席のうち60票が必要になる。共和党は52議席しかなく、予算可決には民主党の一部議員の協力が必要だ。ただ、民主党はトランプ政権が求める「メキシコ国境の壁」の予算計上に強く反対しており、与野党連携の道筋はみえていない。

トランプ氏は「壁は極めて重要だ」と繰り返し主張してきた。一部米メディアは同氏が24日に記者団に対し、壁を建設する予算の計上を10月1日に始まる18会計年度に先送りしてもよいとの考えを明らかにしたと報じた。ただトランプ氏は25日、ツイッターに「私は壁に関する立場を変えていない」と投稿した。

一方で予算の立案・決定権を持つ議会側はライアン下院議長(共和)が「壁建設は18年度に重点を置く」と主張するなど、政府閉鎖の回避へ妥協案も検討する。

予算失効が近づいて審議時間が確保できないため、1週間程度の短期のつなぎ予算を可決する案も浮上。政府機関の閉鎖を回避して議論を続けるためだが、民主党は強硬姿勢を強めている。トランプ氏は「ディールメーカー(交渉仕掛け人)」を自任するが、政府閉鎖回避には国境の壁などの公約を先送りする妥協が避けられそうにない。

暫定予算が失効すれば29日から治安や国防などを除く政府機関が閉鎖に追い込まれる。トランプ政権は皮肉にも、その29日に発足100日を迎える。トランプ氏は税制改革案を26日に発表すると予告。法人税率を現状の35%から15%に引き下げることなどを盛り込む予定で、実績づくりを急ぐ。「アウトサイダー」を売り物に選挙戦を勝ち上がったトランプ氏だが、政府運営や議会対策に不備を残したままだ。

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