ギリシャ、緊縮見直し なお模索
融資延長申請へ 期限の20日迫る、EUは慎重姿勢

2015/2/19 3:30
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【ブリュッセル=御調昌邦、イスタンブール=花房良祐】ギリシャの緊縮財政と金融支援を巡って、同国政府と欧州連合(EU)が瀬戸際の交渉を続けている。ギリシャ側は19日に融資延長を申請する見通しだが、緊縮策の見直しをなお模索する構えは崩しておらず、財政再建を求めるEUと折り合えるかは不透明だ。EUが突きつけた"最後通告"である20日の期限を前に、金融市場ではギリシャ国債の利回りが高止まりし神経質な展開が続いている。

交渉関係筋は、ギリシャが19日にユーロ圏財務相会合に対し、2月末に期限を迎える支援期間の6カ月間の延長を申請することを明らかにした。支援延長がなければギリシャの資金繰りは苦しくなる。

チプラス首相は18日、パプリアス大統領に会い「交渉は正念場を迎えた。(打開策の)提案をしており、難局を乗り越えたい」と述べた。

チプラス政権はこれまで、EUに財政緊縮策を見直させることを国民に公約してきた。このためなんとか交渉で緊縮策を緩めてもらい「従来の支援の枠組みとは別の支援策」を獲得した形にしたい考えのようだ。

13日に現地テレビが報じた世論調査によると、チプラス首相率いる急進左派連合の政党別支持率は45.4%となり、総選挙の得票率の36.3%を上回った。ギリシャではこれまでEUに緊縮財政を押しつけられたとの被害者感情が渦巻いており、新政権の交渉姿勢が評価されている。

債務危機が発生してから政権を担ってきた全ギリシャ社会主義運動(PASOK)と新民主主義党(ND)は、EUなどの緊縮財政の要求を受け入れたことでいずれも支持率を下げ、政権を追われた。代わって政権を獲得したチプラス首相もEUに安易に譲歩すれば政権基盤が揺らぎかねない。このため、6カ月間の資金繰りの猶予を得た上で、夏までの本格交渉で経済成長に軸足を移した支援策を求める意向だ。

一方、EU側はギリシャ政府が申請する融資延長を慎重に見極める方針だ。欧州委員会のドムブロフスキス副委員長(ユーロ問題担当)は18日の記者会見で「最も現実的なのは現行の金融支援を延長することであり、現在の(財政緊縮策などの)約束を果たすことだ」と語った。

交渉のカギを握るドイツの財務省報道官は同日「合意済みの改革なしの支援延長はありえない」と述べたという。ギリシャのバルファキス財務相は16日の記者会見で、金融支援の延長に関して、一部の財政緊縮策は受け入れられないと表明していた。

実際にギリシャ政府から申請があった場合には、20日に改めてユーロ圏財務相会合を開き、対応を協議する可能性がある。現在の金融支援は2月末が期限となっているが、ドイツなど一部の国では国会手続きが必要で一定の時間を要する。このためユーロ圏で早期に合意する必要がある。

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