米雇用増16万人どまり 4月、3カ月ぶり20万人割れ
【ワシントン=河浪武史】米労働省が6日発表した4月の雇用統計(速報値、季節調整済み)によると、景気動向を敏感に映す非農業部門の雇用者数は、前月比16万人増にとどまった。増え幅は前月(20万8千人)から減り、市場予測(約20万人)も下回った。米経済は成長率が急減速しており、雇用回復の勢いもやや鈍った。焦点の追加利上げに向けて慎重意見が増える可能性もある。
失業率は5.0%と前月比横ばいで市場予測(5.0%)とも同じだった。転職の多い米国では完全雇用に近い水準とされ、就業者が増えにくくなっている側面もある。
4月の雇用者数の増加幅は、好調の目安とされる20万人を3カ月ぶりに下回った。2月、3月とも増加幅はやや下方修正され、2月は23万3千人だった。直近3カ月の平均増加幅は月20万人となり堅調さが残っている。
業種別では大幅増が続いてきた小売業が3千人減とマイナスに転じた。年明けの株安の影響で個人消費が下振れしたためだ。一方で輸出減に苦しんできた製造業は3カ月ぶりに増加に転じた。平均時給は25.53ドルと前年同月比2.5%伸びた。
雇用統計は米連邦準備理事会(FRB)が利上げ判断の材料として重視する。6月中旬に開く次回米連邦公開市場委員会(FOMC)での追加利上げの是非が焦点となる。