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熊本地震、米など5カ国で研究 連続の揺れに強い設計など

4月の熊本地震で被害が拡大した原因の究明と対策に向け、東北大学や防災科学技術研究所など日本の7大学・研究機関は、ニュージーランドや米国など4カ国と8件の国際共同研究を始める。震度7の揺れを2度受けた建物の被害を調べ、繰り返し大きな揺れに見舞われても倒壊しない建物の設計法を開発するほか、余震の推移を予測する新たな手法を探る。政府が研究費を緊急支援する。

共同研究の相手国はニュージーランドと米、タイ、ネパール。いずれの国も大地震のリスクを抱えており、地震による被害を軽減するための対策が急務になっている。熊本地震の教訓を共有し、共同研究を通じて減災を目指す。

熊本地震では、4月14日に発生した震度7の地震では倒壊を免れたものの、同16日に起きた2度目の震度7の地震で倒壊した建物が少なくなかった。市役所などの防災拠点も大きく損傷し、建物の耐震対策に課題を残した。

東北大学の前田匡樹教授はニュージーランドのオークランド大学と共同で、揺れの繰り返しによって建物の耐震性能がどのように損なわれるか調査する。被害を受けた建物と受けなかった建物を比較し、連続する地震に強い建築の設計手法の開発につなげる。

防災科研はニュージーランドの公的研究機関、GNSサイエンスと組み、大地震の後の余震活動がどのように推移していくかを予測する手法の開発に取り組む。熊本地震では大地震の後にはより規模の小さな余震が続くという従来の想定から外れる事態が起き、どのように警戒情報を出していくかが問題になった。

共同研究では日本とニュージーランドの研究チームがそれぞれ別のアプローチで余震の確率などを評価する方法を作り、擦り合わせることで精度を高めることを目指す。

九州大学と米カリフォルニア大学ロサンゼルス校は、被害を拡大させた地滑りが発生するしくみを解明する。また、このしくみに基づいて地域別の地滑りリスクを評価し、危険度マップを作成する手法を確立する。

東京大学はニュージーランドのカンタベリー大学と共同で、阿蘇山に代表される火山の堆積物が被害を広げた可能性について研究する。阿蘇地域の地盤構造を調査し、斜面崩壊や地盤沈下を起こしたメカニズムを探る。

ある地震が別の地震を引き起こす地震の連鎖の可能性は以前から指摘されていたが、熊本地震のように短期間のうちに広範囲にわたって連鎖した例は少ない。米国とニュージーランドは日本と同様、熊本地震のような活断層による直下型地震のリスクがあり、高い関心を呼んでいることから、緊急の共同研究が決まった。

文部科学省系の資金配分機関である科学技術振興機構(JST)が2016年度分として8件の共同研究に対して約2000万円の研究費を充てる。17年3月をめどに第1弾の成果を公表する方針だ。

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