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大企業製造業の景況感、9月も横ばい 日銀短観

2016/10/3付
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日銀が3日発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)で大企業製造業がプラス6となり、6月の前回調査から横ばいだった。ただ、中堅・中小の製造業や非製造業は上昇し、全規模全産業でも改善した。円高の逆風は続いているが、4月の熊本地震後の自動車産業の復旧などが景況感を支えた。

業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた値。大企業製造業の業況判断DIが横ばいとなるのは2四半期連続だ。QUICKが集計した市場予想の平均(プラス7)よりも低かった。

大企業を業種別にみると木材・木製品や鉄鋼が12ポイント、自動車が10ポイントそれぞれ改善した。半面、造船・重機等が前回のプラス4から今回はマイナス18へと22ポイントも悪化したほか、化学や生産用機械の悪化も目立った。

9月調査で大企業製造業が2016年度に社内で想定している為替レートは1ドル=107円92銭で、6月調査より3円49銭、円高方向に修正された。木材・木製品などでは原材料輸入コストの抑制につながり景況感を押し上げたが、造船・重機等や生産用機械では輸出採算の悪化から景況感が後退した。

自動車は4月の熊本地震で滞った生産を挽回するための増産にこぎつけ、関連する中堅や中小を含む自動車全体の景況改善に波及した。鉄鋼は市況改善が景況感の大幅な改善につながった。

非製造業をみると、大企業が1ポイント低いプラス18。業種別では台風などの天候不順の影響を受けた運輸・郵便が10ポイント悪化した。円高は非製造業にも影を落としている。例えば小売は4ポイントの悪化だ。訪日客数は増加傾向が続くものの、円高で以前よりも訪日客の消費に結びつきにくくなっていることが響いた。

業況判断DIを全規模全産業でみると3四半期ぶりに改善した。6月調査では英国の欧州連合(EU)離脱の影響が不透明要因だったが、9月調査を見ると景況感に大きく影響していない。

一方、16年度の収益見通しは悪化している。全規模全産業の売上高計画は前年度比0.9%減と、前回6月調査の0.1%減から下方修正した。経常利益も8.1%減と前回の7.2%減から下振れした。景況感は一服しているものの、円高などに伴う収益圧迫への懸念は輸出企業を中心に根強い。

全規模全産業の16年度の設備投資計画は前年度比1.7%増と、前回の6月調査の0.4%増から上方修正となった。

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