株主提案は支持拡大 内容に変化、企業統治問う
黒田電気で人事案承認

2017/6/30付
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株主からの議案である株主提案への賛成比率も上昇傾向にある。議案賛否の開示を背景に、従来は株主提案に反対する傾向が強かった機関投資家が合理性のある議案には賛成するようになった。議案の内容も株主に広く共感を得られるものが増えている。29日の黒田電気の総会では大株主である投資ファンドが提案した人事案が承認された。

黒田電気の総会に議案を提案したのは投資会社のレノ(東京・渋谷)だ。旧村上ファンド元代表の村上世彰氏が関わるファンドで、一橋大学大学院客員教授の安延申氏を社外取締役に選任するように求めた。

会社側は反対したが、経営統合による規模拡大や株主還元の強化などを訴えて株主の賛同を集め提案は承認された。レノの保有比率は共同保有分を含めて現時点で約37%で、機関投資家の一部も賛成に回ったようだ。出席した株主は「自社株買いなどで株価を上げようとする姿勢には共感できる」と語った。「物言う株主」の提案が承認されたのは8年ぶりになる。

みずほフィナンシャルグループには取締役会だけでなく株主総会でも配当を決められるよう定款変更を求める提案があった。「一定の合理性がある」(国内運用会社の議決権担当者)として賛成比率は4割を超えた。

株主は総議決権の1%以上の株を6カ月以上保有するなどの条件を満たせば総会に議案を提案できる。アイ・アールジャパンによると株主による議案数は29日時点で前年比27%増の212件と過去最多になった。承認に至らなくても10%以上の賛成を集める議案は散見される。

議案ごとの賛否開示によって機関投資家は株主提案の内容も真剣に検討するようになった。これまでは極端に大幅な増配や社名変更などの提案が目立ち、株主提案は他の株主から賛同を得にくかったが、今年は相談役や顧問制度の廃止など「検討に値する株主提案が増えている」と野村アセットマネジメントの今村敏之責任投資調査部部長は指摘している。

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