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寒い消費 値下げの夏 食品・日用品、半数超が下落

節約志向・円高響く

消費者の節約志向の強まりに対応して、小売り各社の間で値下げの動きが少しずつ強まってきた。7月は食料品など主要80品目のうち半数以上で、平均税別価格が前年同月を下回った。値下げし続けないとモノが売れなくなるデフレの影もちらつくが、原油安一服で値上がり品が増えてくるとの声もある。

日本経済新聞社が全国約440の小売店の販売データを集計する日経POS(販売時点情報管理)で食品50品目、日用品30品目を調べた。

7月に前年同月より値上がりしたのは38品だったのに対し、値下がりしたのは42品と全体の52.5%を占めた。

値下がりの内訳は食料品が24品目、日用品が18品目だ。インスタントコーヒーやガム、口紅、衣料品用液体洗剤といった身近な商品の価格が2~6%下がった。円安や原材料高を背景にスーパー各社が値上げに踏み切っていた2015年夏とは様変わりだ。

値下げの根底にあるのは、社会保険料負担増などによる所得の伸び悩みや将来不安など消費者心理の萎縮だ。7月は百貨店などがセールを月初から始めたにもかかわらず、消費支出は減った。

スーパー各社は幅広い品目を安定的に低価格で売るキャンペーンにカジを切っている。ダイエーは9月1日から、価格を3カ月間低く抑える販売手法「えっ!安い値!」の対象品目数を過去最大の330に増やす。対象品はそれまでよりも1~2割程度安くなる。

百貨店各社は7月初めにセールを前倒ししたが…

日本チェーンストア協会の井上淳専務理事は「消費者の『安くなるまで待とう』という心理も強くなっている」といい、厳しい顧客争奪で各社とも気長な持久戦になっているようだ。

三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長も「全体的に低価格に少し戻ってきている感覚がある」と警戒する。

今後、円高で原材料の輸入価格が低下し、値下げ圧力がさらに高まるとの見方も多い。みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミストは、「低価格に訴える小売り戦略がもてはやされ、デフレ志向がちらついている」と指摘する。

第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは、「雇用が増えているのは生活水準維持のためのパートなどが中心で収入は低く、消費を増やすまでいかない」と分析している。

原油価格が今の水準で推移すれば全体の物価は年明けにはプラスになるとの見方もある。小売り各社は収益悪化につながる値下げを一時的にとどめ、原油の上昇分を価格に反映していく可能性がある。

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