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日本、成長率1ポイント下げも 円高、企業に打撃

英EU離脱、消費者心理は冷え込み

英国の欧州連合(EU)からの離脱決定は、実体経済に影を落とす。24日の金融市場では、急激な円高と株安が進んだ。日本の輸出企業の採算が悪化すれば、企業収益や賃金の低下につながる恐れがある。株安も消費者心理を冷え込ませる。民間調査機関は、日本の国内総生産(GDP)成長率を0.1~1ポイント押し下げると試算している。

ポンドの下落やインフレ率の上昇、貿易や投資の落ち込みなどで、英国は景気後退に陥る可能性が高くなる。国際通貨基金(IMF)は、2017年の経済成長率がマイナス0.8%になると予測した。

ただ、世界全体のGDPに占める英国の割合は4%程度にすぎない。貿易縮小を通じた世界や日本の景気への影響は小さい。むしろ、24日のような金融市場の混乱が長引けば、世界経済を押し下げる要因となる。

経済協力開発機構(OECD)は金融市場発で世界経済が下振れするとみる。18年時点で英国は残留した場合に比べ成長率が1.35ポイント低く、英国と結びつきの強いアイルランド、オランダ、ノルウェー、スイスの4カ国は1.16ポイント低くなる。日本は0.46ポイント低下、米国も0.24ポイント低下と余波は全世界に及ぶ。

日本経済で最初に打撃を受けそうなのは、企業部門だ。野村証券の桑原真樹シニアエコノミストは、「1ドル100円を下回る水準で円高が定着すると、国内の生産活動の採算が合わなくなり、設備投資が減速する」とみる。世界経済の減速と採算悪化で輸出は減少が見込まれ、製造業を中心に好調だった企業収益は減益に転じる可能性がある。

次に下振れするのは個人消費だ。株安で富裕層の消費が落ち込むほか、企業収益の悪化で賃上げの動きが止まれば、個人はますます節約志向を強めることが予想される。

みずほ総合研究所は今後1年を通じて0.1~0.8ポイント程度、GDP成長率を押し下げると予測する。三菱UFJモルガン・スタンレー証券は最大で6円程度の円高、3700円程度の株安が進むとみる。

政府は実体経済や金融市場への影響を注視する考えだ。当面は為替の安定が焦点となるが、経済対策や金融緩和にも注目が集まっている。大和総研の熊谷亮丸チーフエコノミストは「輸出企業への円高対策や消費の喚起策など財政出動が政策対応として有効だ」と話す。嶋中雄二・三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所長は、「資金供給量をさらに20兆円程度増やす量的金融緩和を実施すべきだ」と指摘する。

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