2019年9月15日(日)

小売り・生産の復旧進む 発生から1カ月
トヨタ「備えが機能」 地元企業、危機管理に教訓

2016/5/14 3:30
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地震前の品ぞろえにほぼ戻ったスーパーの乳飲料売り場(12日、熊本市南区のマックスバリュ西熊本店)

地震前の品ぞろえにほぼ戻ったスーパーの乳飲料売り場(12日、熊本市南区のマックスバリュ西熊本店)

熊本地震の発生から1カ月。トヨタ自動車やソニーなど大手の製造拠点は相次ぎ稼働を再開し、熊本県内の小売業や地場企業もおおむね復旧にメドをつけた。東日本大震災の教訓を生かし早期に復旧した企業が目立つが、危機管理策が役立たなかったケースもあり、突然の自然災害への備えが改めて問われている。

ソニーは13日、デジタルカメラ向けの画像センサーを生産する熊本工場(熊本県菊陽町)の組み立て工程を17日に再開すると発表した。回路を形成するウエハー工程は21日の稼働を目指すが、全体の生産が震災前に復旧する時期は未定だ。

多くの家屋が倒壊したままの住宅地(13日、熊本県益城町)

多くの家屋が倒壊したままの住宅地(13日、熊本県益城町)

半導体大手ルネサスエレクトロニクスは4月16日の本震から1週間で川尻工場(熊本市)の生産を再開し、5月22日には全面復旧させる方針。東日本大震災では茨城県の主力工場が約3カ月の生産停止に追い込まれた。今回は揺れが小さかったことに加え、被災を教訓に練り直した事業継続計画(BCP)が奏功した。

トヨタ自動車は6日に国内30本の完成車組み立てラインすべてで生産を再開した。東日本大震災では完全復旧までに5週間かかったが、「これまでの備えが一定の機能を果たした」(トヨタ幹部)こともあり、約3週間ですべての工場が動いた。

イオンは熊本、大分両県で営業を見合わせたグループ約30店を順次、再開。休業は自転車専門店2店だけとなった。東日本大震災後、災害時における食品メーカーや自衛隊、日本航空などとの連携を強化。被災状況の把握や現地への物資供給は「5年前よりスムーズだった」(イオン)という。

イズミも被害が大きかった食品スーパー3店で6月末までの再開が視野に入った。ディスカウントストア、MrMaxの平野能章社長は「足元では家電や家財道具などの耐久財が動くようになっている」と話す。

店頭の品薄感も解消しつつある。スーパーなどの販売情報を集めた「日経POS(販売時点情報管理)データ」によると、九州の46店舗のペットボトル入りミネラルウオーター(2リットル)の店頭価格は4月18日には4月1日に比べ24%上昇したが、5月9日は逆に4月1日より5%安くなった。

地場企業ではホンダ系の部品メーカー、合志技研工業(熊本県合志市)が「全ラインで生産を再開した」。九州電力は鉄塔の損壊などで「損失額は数十億円になる」(瓜生道明社長)見通し。ホームセンターのナフコは店舗在庫の廃棄などで12億円の損失を見込む。

熊本市の移動棚メーカー、金剛では東日本大震災後に作った危機管理マニュアルは役に立たなかった。「まさか2度も大地震に遭うとは」と田中稔彦社長。今回の地震を機に備えの前提を見直す動きも広がりそうだ。

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