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進まぬ住宅耐震化「9割達成」神奈川のみ

高齢化で費用負担重く 本社調査

東日本大震災から11日で5年が経過し、被災地では犠牲者を追悼する人々の輪が広がった。震災5年を機に、日本経済新聞が全国の都道府県に住宅耐震化の進捗状況を聞いたところ、2015年度末時点で政府が目標とする耐震化率9割を満たすのは神奈川県のみで、20年度までの達成見込みも計16都道府県にとどまることが分かった。古い住宅は高齢者世帯が多く、費用の問題などから補強が進んでいない現状が浮かぶ。

2月中旬から3月上旬にかけて、「震度6強~7の地震でも倒壊・崩壊しない」という建築基準法の耐震基準を満たした住宅の割合(耐震化率)を全国47都道府県に聞いた。国土交通省の推計では13年時点の全国の住宅耐震化率は82%で、政府は15年までに90%、20年までに95%に高める目標を掲げている。

調査結果によると、政府目標である耐震化率9割を15年度中に達成できると答えたのは神奈川県だけだった。北海道、宮城、東京、愛知、大阪、福岡、沖縄など15都道府県は20年度までに達成できる見通しだ。残る31府県は見通しが立っていないか、明確な回答がなかった。

現在の耐震基準は1981年6月に導入された。それ以前に建てられた建物は、現行基準に適合していると判断されるか、補強工事で基準を満たさなければ耐震化住宅とみなされない。政府は補強工事費の一部を補助するなど、耐震化率の向上に力を入れている。

神奈川や東京、愛知、大阪、福岡などの大都市圏で耐震化率が高いのは、マンションの建設が多いことが寄与しているとみられる。逆に老朽化した家屋が多い過疎地では耐震化率の低さが目立つ。

南海トラフ地震で大きな被害が想定される和歌山県は、直近の13年度の住宅耐震化率は74%だが、20年度までに9割の達成を見込む。「高い目標を掲げることで県民の意識を高めたい」(建築住宅課)という危機感が背景にある。

耐震化率を高める自治体の取り組みも広がる。東京都は木造住宅密集地などの耐震改修補助を16年度に拡充する。全国で唯一、20年度に100%の目標を掲げる徳島県では耐震診断から改修まで一貫して補助を受ける際の申請手続きを簡単にした。

それでも耐震化率9割のハードルは高い。広島県では15年度の達成目標を掲げていたが、次期計画では20年度に85%と改める方向だ。「実現可能性を重視した」(同県建築課)という。

大地震に対する意識の差も影響している。秋田県建築住宅課は「東日本大震災での被害が比較的少なかったうえ、高齢世帯も多いため、改修や建て替えが進まない」と話している。

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