小池都政、国と連携焦点 金融都市構想や法人減税 就任1年

2017/8/2 2:30
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2日に就任から1年を迎えた東京都の小池百合子知事は1日、日本経済新聞のインタビューに応じた。2年目の都政の優先課題について「高齢化という避けられない、目に見える津波が来ている」と述べ、高齢化対策の新たな総合計画を策定する考えを示した。

インタビューに答える小池知事(1日、都庁)

昨年9月時点で都内の高齢者(65歳以上)人口は推計約301万人、高齢化率は23.1%。75歳以上の割合は48.8%で、団塊の世代が全員75歳以上になる2025年に向けてさらに高まる。

小池氏は高齢化に伴う空き家問題や運動機能が低下するフレイル(虚弱)問題、高齢者の持つノウハウの活用にも取り組むと指摘。「これまでは部門ごとに対応してきたが、今後はより広く構えたうえで、担当に落とし込むという方策をとらないと効果的ではない」と述べ、部局横断で進めると強調した。介護士の人材確保のため処遇改善を図ることも表明した。

2年目の小池都政は成果が問われる段階に入る。国際競争に生き残る成長戦略、将来世代のためのインフラ整備など、山積する課題の解決はいずれも安倍政権との連携が焦点になる。成果を上げられるかは小池氏の国政進出の行方も占う。

「不透明さからくる不信だろう。危機管理や初動が尾を引いている。対応が後手だ」。小池氏はインタビューで最近の安倍政権の支持率急落をこう皮肉った。一方で東京五輪・パラリンピックに向けては「成功させなければならない思いは誰しも共有できる」と政権と連携する姿勢を強調。民進党との連携は「都政での必要性はこれといってない」と言い切った。

小池氏が安倍政権との連携を重視するのは五輪だけではない。肝煎りの国際金融都市構想は金融とIT(情報技術)を融合したフィンテック、資産運用会社の誘致が柱で、法人実効税率の引き下げが焦点だ。都税の法人2税(法人事業税、法人住民税)下げは都庁内で検討を始めたが、税率の大半を占める国税の法人税に踏み込めなければ効果は限定的になる。

今、法人減税が政権の政策課題になる兆しはない。ただ、政権浮揚を図る安倍晋三首相は内閣改造で経済重視に傾く可能性がある。規制改革や税制改革で成果が出れば双方にメリット。次期衆院選で小池氏の出方を警戒する首相には小池氏に恩を売ることにもなる。

インフラ整備も国との共同作業だ。昨今の訪日客の活況は石原慎太郎知事時代に小泉政権と二人三脚で羽田空港の国際化にカジを切った恩恵が大きい。都市政策に詳しい市川宏雄・明治大専任教授は「今、考えるべきは五輪後の東京をどうするかだ」と指摘する。

12年五輪のロンドンは開発の遅れていた地域を「オリンピック・パーク」としてテコ入れ。選手村は宅地に転用し、都市再生の起爆剤にした。英国はフランスに続いてガソリン車・ディーゼル車の販売禁止を打ち出し、環境先進都市としても注目を集める。

英仏の動きについて、小池氏は「ガソリン車・ディーゼル車以外になると、電気自動車、燃料電池車など選択肢はいくつかある。それを後押しし、先鞭(せんべん)をつけるのが東京五輪だ」と表明。「他国の流れも参考にしていきたい」と語った。五輪を都市づくりにどう生かすか。五輪後の東京の将来像が小池氏に求められている。

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