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車国内生産、回復力弱く 9月8社3%減

2014/10/28付
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 自動車の国内生産の回復が遅れている。トヨタ自動車など乗用車8社が27日まとめた9月の国内生産台数は3カ月連続で前年実績を下回った。消費増税後の新車需要が振るわないうえ、海外生産にシフトし円安でも輸出が伸びないためだ。メーカーの間では今年度下期の生産台数を当初計画より減らす動きもあり、国内生産の本格回復は当面見込みにくい情勢だ。

海外への生産移管などで国内生産の回復は遅れている(日産の九州工場)

 8社の9月の国内生産台数は前年同月比3.3%減の79万9984台だった。トヨタやホンダなど5社が前年割れ。プラスとなったダイハツ工業も「9月発売の軽トラック『ハイゼット』を除くと厳しい」。4~6月は増税前の納車が間に合わなかった受注残が国内生産を下支えしたが、7月以降は前年割れが続く。

 最大の要因は需要低迷だ。4~9月の国内新車販売台数は8社合計で前年同期比3%減の226万台と、年間販売計画の45%にとどまる。10月以降の販売もトヨタ、日産自動車、スズキなどは「新規受注は回復したとはいえない」と話す。2014年度の新車販売台数は2年ぶりに500万台を割り込みそうだ。ホンダは今週から、埼玉製作所狭山工場(埼玉県狭山市)で金曜日に操業を止める生産調整に入る。

 国内生産の回復が遅れているもう一つの理由は輸出の減少だ。9月の8社の輸出台数は前年同月を4%下回った。4月以降の半年間で見ても、206万4454台と5.3%減った。足元では1ドル=108円前後と1年前より10円ほど円安に振れているが、リーマン・ショック後の円高期に各社が海外に生産をシフトした結果、輸出は増えにくい構造になった。今年度上期も海外生産は前年同期比6.5%増えた。

 今年に入りホンダやマツダはメキシコで新工場を稼働させた。日産は月に1万台程度生産していた多目的スポーツ車(SUV)「ローグ」を昨年10月に米工場に移管したことで、九州の工場で生産を減らしている。

 自動車の国内生産の低迷は部品メーカーなど関連産業にも影を落としている。ホンダの部品子会社、八千代工業が27日発表した14年4~9月期連結決算で、国内の売上高は498億円と前年同期比13%減り、営業損益はほぼトントンから5億円あまりの赤字になった。

 同社は今年度下期(10月~15年3月)の国内の需要見通しについても引き下げた。比較的好調な中国事業などでも補えず、下期の連結営業利益見通しを従来の43億円から32億円に引き下げた。

 トヨタは今年度下期に取引先の部品メーカーに値下げを求めない方針だ。円安による資材費の上昇や電気料金引き上げに苦しむ中小に配慮し、本来生じるはずの数百億円の収益改善分を取引先に還元する狙いがある。

 自動車各社は新型車を投入することで販売の好転を狙うが、底上げ効果の大きさは不透明だ。ナカニシ自動車産業リサーチの中西孝樹氏は「景気の足腰は弱く、輸出の増加も見込めない。今年度下期の国内生産は前年同期に比べ7%程度減るだろう」と予想する。

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