外食、苦肉の省力調理 求人倍率3倍、確保難航

人手不足に悩む外食企業が省力化投資を進め、調理作業を効率化する。「築地銀だこ」を運営するホットランドは専用の自動たこ焼き器を全国の店舗に順次導入する。グルメ杵屋は手打ち実演が売り物のうどんチェーン「杵屋」で製麺機を導入する。調理や接客・給仕の有効求人倍率は3倍台と高い。競争が激しい中、人件費の増大を抑え、価格への転嫁を極力防ぐ。
ホットランドはたこ焼きが自動でくるくる回り、店員が最低限の手間できれいな丸いたこ焼きを作ることができる機械を導入する。店員の研修期間も約2カ月から1週間程度になるという。店舗に必要な人員を減らしたり、作業負担の軽減につなげたりする。
既に首都圏を中心に約30店で導入、早期に全国の店舗に導入する。現在の店舗数は約500店。1台の投資額は数十万円を見込む。調理時間は従来の25分程度から10分弱と半分以下に短縮できる。作り置きを減らして、廃棄ロス削減も目指す。
グルメ杵屋は全体の半分に当たる約70店で3年以内をめどに製麺機を導入する。手打ち実演は負担が大きいとされる。製麺機導入で1日1時間以上の労働時間抑制につながるという。投資額は1店舗あたり150万~200万円程度。訪日客の利用が多い空港内の店舗などでは実演を続ける。
外食業界の人手不足感は強い。厚生労働省によると6月の飲食物調理の職業の有効求人倍率(含むパート)は3.00倍と1995年の統計開始以来の水準。接客・給仕は3.60倍と、リーマン・ショック前の2007年以来の高水準だった。いずれも全体の水準を大幅に上回る。人手不足は出店計画に影響を与えるだけに、調理効率の改善は喫緊の課題だ。
サイゼリヤは店舗の小型化で人手不足に対応する。年内にも1号店を出店。厨房の効率化で店舗面積を抑えることで少人数で運営できるようにする。通常は5000万円程度必要な出店コストも3割程度減らせる見通し。堀埜一成社長は「人手不足や賃料高騰に対応していく」と語る。
「大阪王将」を運営するイートアンドは厨房での包丁を使った仕込み作業をやめる。まず一部の直営店からピーマンの千切りや豆腐のカットなどの作業をやめて、業者から仕込み済みの食材を調達する方式に切り替えた。秋から対象品目を増やす。来年4月にはフランチャイズチェーン店にも広げ、全店で導入する。
中華料理では重い中華鍋などを使うため、調理の負担が重いとされ、人材を確保しづらいとの指摘もある。仕込み作業以外にも厨房でゆでたり焼いたりする作業の自動化に向け検討する。
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