瀬戸際の東芝再建

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東芝半導体 長引く交渉 日米韓連合、SK巡り思惑交錯

2017/7/7 2:30
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 東芝の半導体メモリー事業の売却交渉が長引いている。官民ファンドの産業革新機構が軸の「日米韓連合」を優先交渉先に選んだが、韓国メモリー大手のSKハイニックスの参画手法の調整に手間取っている。売却に反対する米ウエスタンデジタル(WD)が米国で起こし、売却交渉に大きく影響する訴訟の初審問が1週間後に迫る。交渉の土壇場でも関係者の思惑はなお交錯している。

 東芝は6月21日に革新機構と日本政策投資銀行、米投資ファンドのベインキャピタル、そしてSKハイニックスが加わる日米韓連合を優先交渉先に選んだ。同28日の株主総会までの売却契約の締結を目指したが、果たせなかった。

 締結の遅れは「膨大な数の契約書の精査、作成に時間がかかっている」(関係者)とされてきた。しかし、SKハイニックスが陣営にどう関わるかが焦点に浮上した。

 SKハイニックスは東芝の半導体メモリー子会社「東芝メモリ」に実質的に融資するとされてきた。東芝側も「あくまで融資主体で議決権を持たない」と説明してきた。

 だが、SKハイニックスは6日時点では「融資と新株予約権付社債(転換社債=CB)のセット」が資金拠出の前提と主張している。満期後に東芝メモリ株に転換する社債の引き受けを望むとし、「経営権は握るつもりはない」としつつも議決権を取得したい意向も示している。

 契約締結の詰めの作業を進めるなかで、日米韓連合の内部でも金額などの条件が揺れているもよう。そのなかで、SKハイニックスの問題が浮上した格好だ。議決権を持つと各国の独占禁止法の審査が通りにくくなる恐れがある。

 日米韓連合を後押ししてきた日本政府は革新機構など日本勢が中心となる枠組みで、メモリー技術の海外流出を防げるとしてきた。だが、SKハイニックスの関与が強まると、この説明が通らなくなる懸念がある。

 交渉の決着が長引く一方、協業先のWDとの訴訟がヤマ場を迎える。米カリフォルニア州の裁判所が、WDが6月中旬に東芝のメモリー事業売却の差し止めを求めた件について、14日に初審問を開く。早ければ同日中に裁判所の判断が示される可能性がある。

 WDとの訴訟リスクを懸念する声が日米韓連合の中からも出ているもようだ。仮に差し止めの仮処分が認められた場合、日米韓連合の結束も揺るぎかねない。

 日米韓連合との交渉がまとまらない場合、経営再建の切り札としてメモリー事業を是が非でも売りたい東芝は、他の陣営への売却に動く可能性がある。日米韓連合を優先交渉先とした決定に法的拘束力はない。革新機構幹部は6日、交渉の行方について「まだまだ流動的だ」と話した。

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