トップ > 特集 > 被災地の今 > 記事

福島第1原発の凍土壁 凍結作業、海側から
完成、秋以降にズレ込み

2016/2/16 3:30
保存
共有
印刷
その他

東京電力は15日、福島第1原子力発電所の汚染水対策として計画する「凍土壁」について、凍結作業を段階的に進める方針を明らかにした。海側から凍結を始め、地下水の流れや水位の急変を防ぐ。原子力規制委員会は計画を容認し、作業は3月にも始まる見通し。

作業は水位などを監視しながら少しずつ進めるため、完了まで7~8カ月かかるとみられる。2015年度中を目標としてきた完成時期は今秋以降にずれ込む。

凍土壁は原子炉建屋などに流れ込み汚染水となる地下水を遮断する対策で、1~4号機を囲むように土壌を凍らせて壁を築く。規制委は凍土壁で地下水の流れが止まると周辺の水位が急低下し、建屋から汚染水が漏れることを懸念していた。

15日の規制委の検討会で、東電は地下水の流れに大きな影響が出ないよう、下流にあたる海側を優先的に凍結する計画を表明した。従来は流入抑制を重視し、上流の山側から作業する予定だった。規制委は「懸念はおおむね解消された」(更田豊志委員)と評価し、容認する姿勢を示した。

山側は一部を凍らせ、水位などを監視しながら段階的に作業を進める方向。水位が下がれば地中に水を注いで上げるなどし、汚染水漏れを防ぐと東電は説明する。規制委は3月3日にも次回会合を開き、改めて山側の凍結の妥当性を議論する。

現在は1日150~200トンほどの地下水が建屋に流入している。東電によると、山側を含む凍土壁が完成すれば、流入量が半分以下に減る。海側だけだと流入の抑制効果は期待できないものの、海に近い護岸付近の汚染度の高い場所に地下水が到達するのを防げる可能性があるという。

規制委は海側を中心とする凍結を3月にも認可する見通しで、345億円の国費を投じた汚染水対策の柱がようやく稼働する。ただ東電の計画通りでも完成までには半年以上の期間がかかる。当初計画からはすでに1年の遅れが生じているが、工程はさらにずれ込むことになる。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ

電子版トップ特集トップ