震源浅く局地被害 熊本地震、強い揺れ20キロ圏内

2016/4/16 3:30
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地震で大きく陥没した道路(15日、熊本県益城町)

地震で大きく陥没した道路(15日、熊本県益城町)

14日夜に起きた熊本地震では同県益城町で震度7を記録し、9人が死亡、1000人超が負傷した。1995年の阪神大震災など過去に震度7を記録した3つの地震と比較し、地震の規模は小さいものの、狭い地域に集中して甚大な被害が出たのが特徴だ。専門家はその理由として、震源の浅さのほか、地盤や揺れの周期を指摘する。

「マグニチュード(M)6.5で震度7というのは驚いた」。政府の地震調査委員会の平田直委員長(東京大学教授)は15日夕の記者会見でこう話した。

今回の地震は81キロメートルある日奈久(ひなぐ)断層帯のうち、北側の一部がずれて発生した。地震の規模はM6.5。同じ直下型地震で震度7を記録した阪神大震災(M7.3)や2004年の中越地震(M6.8)より小さい。平田委員長は「M6クラスの直下型地震はどこでも起きる可能性がある」と強調する。

阪神大震災では、震度7の地域が淡路島北部のほか、神戸市須磨区から西宮市にかけて帯状に広がった。今回の地震はずれた範囲は短かったが、震源が深さ11キロメートルと両地震より浅く、狭い範囲に強い揺れが集中した。

実際の被害もそれを裏付ける。15日に益城町の被災現場を調べた熊本大学の松田博貴教授(地質学)は「断層に平行する線上に壊れた家が並び、限られたところに被害が集中していた。数百メートル離れると、建物の被害が外からわからない程度だった」と話す。一般に、震源が浅いと真上の地域を中心に揺れは大きくなりやすいという。

熊本県警によると、今回の地震で確認された死者9人のうち8人が益城町内で、長さ4キロほどの帯状の地域に固まっている。阪神大震災や中越地震ではより広い範囲で犠牲者が出ているのと比べ、人的被害も狭い地域に集中した。

東京大学地震研究所の古村孝志教授の分析では、強い揺れに見舞われたのは震源から約20キロメートル以内。それより遠ざかるにつれ急速に弱まった。また周期が1~2秒の揺れが強かった。この周期は阪神大震災で木造家屋に大きな被害を出した原因とされる。

被害が集中したことについて、地盤との関係を指摘する意見もある。立命館大学の持田泰秀教授(構造設計学)は「付近に固い地盤の洪積層が広がり、地震の揺れが伝わりやすかった」とみる。地盤が固いと揺れが吸収されずに速く地表に伝わり、震源によっては建物の被害が大きくなることがある。重い瓦屋根を載せた木造の日本家屋が多かったことも影響したという。

地震は午後9時半前に起きたが、時間帯によってはさらに被害が拡大した恐れもある。

熊本県によると、地震による火災は4件。明治大学の中林一樹特任教授(都市防災)は「午後9時を過ぎ、食事の準備で火を使う家庭も少なかった。3時間早く起きていたら、火災で被害が膨らんだ可能性はある」と話す。

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