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賃金増 パート先行 3月、正社員は勢い欠く

正社員の賃金増に勢いがつかない。厚生労働省が9日発表した3月の毎月勤労統計調査(速報値、従業員5人以上)によると、正社員を含むフルタイム労働者の基本給は前年同月に比べ0.1%減少し、ほぼ3年ぶりにマイナスになった。人手不足による賃金増はパートタイム労働者が先行しており、賃上げが消費拡大につながる好循環はまだ描けない。

1人当たりの名目賃金にあたる現金給与総額は27万7512円。前年同月に比べ0.4%減少し、10カ月ぶりに前年を下回った。

働く人の減少に生産活動の回復などが重なり、産業界では人手不足が深刻になっている。3月の完全失業率は2.8%と、完全雇用に近い状態が続いている。

労働需給の逼迫は賃上げ圧力を高める要因になるが、企業はパートタイム労働者の処遇改善を優先させている。パートの時間当たり給与は3月に2.1%増え、4カ月連続で2%台の伸びとなった。

雇用環境の改善でパートからフルタイムに移る人も増えており、3月のパート比率は0.17ポイント減少した。パートとしての働き手が減り、企業は時給を上げて囲い込みに動いているようだ。

今後は今年の春季労使交渉での賃上げがどこまで広がるかが焦点になる。

経団連の1次集計によると定期昇給とベースアップ(ベア)を合わせた賃上げ率は2.18%で、前年とほぼ横ばいだった。物価が上がる中で消費を押し上げるには力不足との声もある。

消費動向を左右するのは名目賃金から物価上昇分を除いた実質賃金。3月は消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)が前年同月比0.3%上昇し、実質賃金は0.8%減と2カ月ぶりに前年を下回った。

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